東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は229円高の2万1329円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、マザーズ指数なども上昇しましたが、東証2部指数は小幅に下落しました。前日の米国市場が大幅に反発したことを受けて、日経平均は299円高の2万1399円と続伸して寄り付きました。寄り付きが高値となりその後は利益確定の売りなどに押されて伸び悩んだ日経平均は、じりじりと上げ幅を縮めて前場を199円高の2万1299円で終えました。後場に入り膠着感を強めた日経平均は13時半前に120円高まで上げ幅を縮めたものの、円高進行が一服したことなどを受けて持ち直すと229円高の2万1329円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5255億円でした。

東証33業種は電気・ガス業や医薬品、その他製品などの24業種が上昇した一方で、鉱業や鉄鋼、建設業などの9業種は下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が1.7%上昇したほか、ファーストリテイリング(9983)やソニー(6758)、任天堂(7974)、トヨタ自動車(7203)、武田薬品工業(4502)、KDDI(9433)、東京エレクトロン(8035)が上昇しました。中でも武田薬品工業は4日の引け後に発表した新型コロナウイルス治療薬の開発開始を受けて、将来的な業績貢献を期待した買いが入り3.5%上昇しました。一方で三井住友フィナンシャルグループ(8316)や三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)は下落しました。

その他材料が出たところでは、バイオ製薬のアンジェス(4563)がストップ高水準となる18.7%高で取引を終えました。同社は本日13時に新型コロナウイルス対策のための予防用DNAワクチンを大阪大学と共同で開発すると発表しており、その製造を担当するタカラバイオ(4974)も9.7%高となっています。一方で調剤薬局やドラッグストアを展開するアインホールディングス(9627)は7.9%下落しました。4日に2020年4月期の通期業績見通しの下方修正を発表したことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国株高を好感して続伸しました。ただし寄り付きが天井となるなどまだマーケットのセンチメントは様子見姿勢が強いと思われます。徐々に新型コロナウイルスに対する治療薬の開発開始などが進んできている点は良い兆候と言えそうです。引き続き感染者数の拡大や景気対策のニュースなどをめぐり一喜一憂する展開が想定されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)