【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27090.86 △1,173.45 (3/4)
NASDAQ: 9018.09 △334.00 (3/4)
1.概況
米国市場はスーパーチューズデーでの民主党の米大統領選候補争いで中道派のバイデン前副大統領が大きく躍進したことや、国際通貨基金(IMF)が中国の生産再開が今後数週間で90%まで回復するとの見通しを示したことなどを好感した買いで急反発となりました。ダウ平均は466ドル高でスタートすると一日を通して大きく上げ幅を広げる展開となり引け間際には1,184ドル高まで買われました。結局ダウ平均は1,173ドル高の27,090ドルと節目の27,000ドルを回復して取引を終えています。ダウ平均の上げ幅は過去最大だった2日の1,293ドルに次ぐ大きさとなっています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も334ポイント高の9,018ポイントとなり節目の9,000ポイントを回復しています。
2.経済指標等
2月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は前月比18万3000人増となり市場予想を上回りました。2月の米ISM非製造業景況感指数も57.3と前月から上昇し市場予想を上回っています。米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は経済活動について緩やかにもしくは穏やかなペースで拡大したとしています。しかし、新型肺炎での旅行や観光業への悪影響に加え、製造業でも今後数週間で一段の混乱が起きるのを警戒しているとしています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもヘルスケアと公益事業が5%を超える上昇となったほか、生活必需品も5%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。そのなかでも民主党の大統領選候補争いで国民皆保険制度の導入を掲げるサンダース氏が劣勢となったことでユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が11%近く上昇し、ダウ平均を1銘柄で190ドル以上押し上げました。また、アメリカン・エキスプレス(AXP)が7%を超える上昇となったほか、ファイザー(PFE)やスリーエム(MMM)も6%以上上げています。さらにジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とホーム・デポ(HD)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、コカ・コーラ(KO)も5%を上回る上昇となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、配車サービス大手のリフト(LYFT)が新型肺炎の影響にもかかわらず1-3月期の売上高見通しを据え置くと明らかにしたことで9%近く上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%高い1.05%となりました。ドル円は107円台半ばでの推移となっています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の21,500円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)