ダウ平均の下げ幅上位、2018年に集中

ダウ工業株30種平均が24日に1,000ドル超下げたのは、長い歴史のうちで3回目だ。しかし、投資家は下げ幅を気にしないはずだ。下落率も大きいが、市場パニックとは程遠い。

24日は米国の投資家にとって悪い日であり、この事実を避けることはできない。中国以外での新型コロナウイルスの感染拡大に、すべての投資家が動揺した。

欧州では(ロンドン市場の)FT100種平均株価指数が3.3%安。香港のハンセン指数は1.8%下落した。また、NYダウは3.6%、S&P500指数は3.4%それぞれ下げた。

NYダウは24日1,032ドル安で終わったが、過去を見るとそれほど悪くはない。前回1,000ドル超下げたのは2018年2月。下げ幅トップ10のうち半分が2018年に発生している。NYダウには悪い年だったが、大惨事ではなかった。2018年は序盤に大きく下げた日が多いが、長く続く米国の強気相場は終了しなかった。

2018年2月の下落率は4%強。しかし、3月に入る時点では年初来プラスを維持していた。これは良い話だ。

今回の下げ率、ワースト1%入り

悪いニュースもある。24日の3.6%の下落率は、約3万日のNYダウの歴史の中でもワースト1%に入る。ただ、下げ率歴代10位には程遠い。8%超下げないと、リスト入りできない。

下げ率10位のうち8回は1932年末より前に発生している。現代で10位に入ったのは1987年10月19日のブラックマンデー(暗黒の月曜日)だけだ。NYダウは何と22.6 %下げ、その1週間後26日には8%下げた。

下落幅は見出しになるが、投資家が注目するのはパーセントだ。この先、NYダウの短期的な方向を決めるのは、新型ウイルスの感染拡大を封じ込め、抑制する能力だろう。

第1および第2四半期の経済活動は新型ウイルスの影響を受ける見込みだ。世界で2番目の経済規模を持つ中国は100%稼働してはいない。世界的に企業利益が損なわれる。しかし、新型ウイルスの感染拡大が抑えられれば、経済活動は立ち直るはずだ。

感染抑制は予想ではなく、期待だ。すべての投資家やヘルスケアのプロが期待していることだ。

 

原文    By Al Root
(Source: Dow Jones)
翻訳    時事通信社

Published by Jiji Press in association with Barron's Group

当記事は、バロンズ・ダイジェストで2020/02/25に公開された記事を1営業日遅れで掲載しています。