今週の日本株相場は引き続きCOVID-19(新型コロナウイルス肺炎)への警戒から上値の重い展開となりそうだ。ただし、下値も堅いだろう。先週のマーケット展望で、「一目均衡表の雲の上限に沿った動きであれば、今後の上昇の足場固めとなるだろう」と述べたが、日経平均はまさにそのような推移となった。今週も一目均衡表の雲の上限である2万3500円どころを意識した展開か。

先週末の米国市場でダウ平均こそ小幅安だが、ナスダック総合指数は最高値更新。決算が市場予想を上回る増収増益となり上場来高値を更新したエヌビディアなどが牽引した。月曜日はプレジデンツ・デーで米国が休場のため動意薄だろうが、半導体関連を中心にハイテク株は賑わいそうだ。

今週の指標は米国では、ニューヨーク連銀製造業景況指数、住宅着工件数、生産者物価指数、フィラデルフィア連銀景況指数、中古住宅販売件数などが発表される。また、1月開催分のFOMC議事要旨も公表になる。日本では機械受注が注目。だがなんといっても今週の注目は20日に利下げ決定と見られている中国の動向だ。

日本経済新聞は、「新型肺炎で打撃を受けた企業を支援するため、中国の銀行が14日までに計5370億元(8兆4千億円)の融資を実行した」と報じている。危機に際して定石通りの流動性供給を迅速かつ大規模におこなっており、新型肺炎の経済への影響は免れようがないが、極端な悪化は避けられるだろう。中国政府の対策で、肺炎の感染が下火になったあとの回復もV字になるだろう。

今週は新型肺炎のニュースで売られ、NY株の堅調さで戻すといったような一進一退の値動きを予想する。予想レンジは2万3300~2万4000円。