東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は127円安の2万3215円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども総じて下落しました。新型肺炎の感染拡大懸念から前日の米国市場が大幅に下落したことを受けて、日経平均は216円安の2万3126円と続落して寄り付きました。売り一巡後はやや持ち直す場面も見られた日経平均でしたが、小幅な値動きのなかじりじりと下げ幅を広げると219円安の2万3124円で前場を終えました。後場に入ってからも前日終値より200円程度安い水準で膠着状態となった日経平均は、引けにかけて下げ幅を縮めると引け前に100円安まで持ち直し、結局127円安の2万3215円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1940億円でした。

東証33業種はその他金融業と空運業を除く31業種が下落しました。中でも鉄鋼が2.4%下落したほか、鉱業や石油石炭製品などが大きく下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップのソニー(6758)が1.2%下落したほか、トヨタ自動車(7203)や東京エレクトロン(8035)、キーエンス(6861)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、ネットワンシステムズ(7518)が下落しました。一方でソフトバンクグループ(9984)や任天堂(7974)、ファーストリテイリング(9983)、資生堂(4911)は上昇しています。材料が出たところでは、27日に2019年12月期の通期業績予想の上方修正を発表した電気計測機器メーカーの小野測器(6858)が一時ストップ高となり終値でも17.4%上昇しました。試験装置の原価低減や生産効率の向上などにより営業利益が前回発表予想から125%増加するなど、大幅な上昇修正となったことが好感されました。また、電子部品メーカーのSMK(6798)は本日13時に発表した2020年3月期の通期業績予想の上方修正が好感されて後場で急伸し、9.3%高となりました。一方で先週23日に業績予想の下方修正を発表して以降3日続落していた日本電産(6594)は、27日付で大手証券会社が目標株価を引き下げたことが嫌気されて本日も2.2%下落して4日続落となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落したものの、昨日ある程度織り込んでいたとみられることやドル円がそれほど円高に振れていなかったこともあり膠着状態のなか下げ渋る展開となりました。日経平均は続落したものの心理的な節目となる2万3000円を割り込むことなく推移しています。新型肺炎の感染拡大が世界経済に及ぼす影響を懸念する見方もありリスクオフの流れが続くなか、明日以降日本市場が持ち直せるかが注目されます。また、本日は引け後にエムスリー(2413)や信越化学工業(4063)、オービック(4684)などの決算が発表されています。

(マネックス証券 プロダクト部)