東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は235円安の2万3795円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、マザーズ指数なども下落しましたが、東証2部指数は上昇しました。ドル円がやや円高に振れたことなどを受けて、日経平均は187円安の2万3843円と反落して寄り付きました。9時半前には252円安まで下げ幅を広げて1日の安値をつけた日経平均でしたが、売り一巡後はやや持ち直して153円安の2万3877円で前場を終えました。新型肺炎の感染拡大への警戒感から上海株や香港株が大きく下落したことも嫌気されてか下げ幅を広げて後場を迎えた日経平均は、その後もじりじりと下げ幅を広げたものの、前場でつけた安値を下回ることはなく235円安の2万3795円で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆9516億円でした。

東証33業種はその他金融業とその他製品を除く31業種が下落しました。中でも海運業が2.6%下落したほか、鉄鋼や鉱業、空運業がいずれも2%以上下落しています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は下落した銘柄が多くなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が2.4%下落したほか、ファーストリテイリング(9983)やソニー(6758)、資生堂(4911)、東京エレクトロン(8035)、村田製作所(6981)、楽天(4755)が下落しました。中でも楽天は通販サイト「楽天市場」で一定金額以上商品を購入した場合に一律で送料を無料にする方針を示したことについて、出店者が送料を負担することに対して反発が出ていることや出店者で構成された任意団体が公正取引委員会に調査を求める署名を提出したことから出店離れによる業績低迷が懸念されて3.8%下落しました。

一方でアドバンテスト(6857)や任天堂(7974)、トヨタ自動車(7203)は上昇しました。中でもアドバンテストは外資系大手証券が目標株価を1.5倍に引き上げたことが好感されて2.5%高となりました。また、同社と同じ半導体試験装置を製造する米テラダイン社が22日に発表した2019年10月~12月期売上高が26%増と市場予想を上回ったことも支援材料となったようです。

その他材料が出たところでは、液体処理や気体処理のフィルターを製造する阿波製紙(3896)が新型肺炎の感染警戒による需要増加を期待した思惑買いでストップ高となりました。一方で福井県などでドラッグストアを展開するGenky Dragstores(9267)は22日に2020年6月期通期の利益予想を下方修正を発表したことが嫌気されて6.1%下落しました。生活必需品の値下げにより利益率が悪化したことが影響したようです。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は、円高進行や新型肺炎への警戒感が重石となり下落しました。新型肺炎の感染拡大が日本や中国の景気下振れに繋がるとの声もあるなか、日経平均が再び2万4000円を回復できるかが注目されます。また、本日は引け後に日本電産(6594)などが決算を発表しており、同社は2019年4~12月期業績が減益となったほか、2020年3月期通期の業績予想を下方修正しています。一方で10~12月の3ヶ月では5四半期ぶりの営業増益となったほか、500億円を上限とする自社株買いを発表しました。強弱材料が入り交じる発表を受けた明日のマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部)