上昇傾向続く英ポンド

英ポンド/円は140円を大きく上回る上昇傾向が続いている。ただそんな英ポンド/円は日英金利差からのかい離が拡大してきた(図表1参照)。日英10年債利回り差英ポンド優位は、昨年8月、英ポンド/円が126円まで下落した当時の水準に近いところまで縮小してきた。

金利差英ポンド優位が縮小する中でも英ポンド/円の上昇傾向が続いたのはなぜか。一つの理由は投機筋の英ポンド買いの拡大ではないか。CFTC統計によると、投機筋の英ポンド・ポジションは昨年末から買い越しに転換すると、足元では買い越しが3万枚を超えてきた(図表2参照)。

ちなみに、2016年のBrexit(英国のEU離脱)ショック以降の最高の買い越しは、2018年4月に記録した4万枚なので、足元の買い越しはそれに限りなく接近してきたことになる。経験的には、「買われ過ぎ」も徐々に懸念される段階に近くなってきたのではないか。

以上のように見ると、最近の英ポンド/円上昇は、金利差からかい離し、しかも投機筋の「買われ過ぎ」懸念が強まっている可能性もありそうだ。反落リスクも警戒する必要があるのではないか。

【図表1】英ポンド/円と日英10年債利回り差 (2016年1月~)
出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
【図表2】CFTC統計の投機筋の英ポンド・ポジション (2019年7月~)
出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成