東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は16円高の2万3933円と反発しました。一方でTOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数などは下落しました。前日の米国市場が上昇したことを受けて、日経平均は43円高の2万3960円と反発して寄り付きました。その後は上げ幅を縮めてマイナスに転じると10時半過ぎに11円安まで下落した日経平均でしたが、再びプラスに転じて前場を34円高の2万3950円で終えました。後場に入ると小幅なプラス圏で推移する時間が長かった日経平均ですが一時は小幅なマイナスに転じる場面もあるなど方向感に欠ける展開となった日経平均は結局16円高の2万3933円で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆9376億円でした。

東証33業種は医薬品や電気・ガス業、石油石炭製品などの11業種が上昇した一方で、証券商品先物や鉱業、金属製品などの22業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が2.1%下落したほか、任天堂(7974)、村田製作所(6981)、キーエンス(6861)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)が下落しました。一方で、ソニー(6758)やファーストリテイリング(9983)、東京エレクトロン(8035)、トヨタ自動車(7203)、第一三共(4568)は上昇しました。中でも第一三共は、国内で初めて新型肺炎の罹患者が確認されたことを受けてインフルエンザなどのワクチンを製造する同社に思惑買いが入り4.3%上昇しました。また、紡績大手でマスクの製造も手掛けるダイワボウホールディングス(3107)や抗ウイルス加工繊維を製造するシキボウ(3109)などの医薬品関連銘柄も上昇しています。

そのほか材料が出たところでは、ワールドアスレティックス(世界陸連)がナイキ(NKE)の一部シューズに利用制限を設けるとの報道を受けて、アシックス(7936)に思惑買いが入り2.5%上昇しました。同社は今年正月の箱根駅伝でナイキ製シューズを使用する選手が増加していたことなどから急落していました。一方で衣料繊維製造や不動産開発を行う日本毛織(3201)は15日に2020年11月期の通期業績が減収減益となる見通しであると発表したことが嫌気されて5.9%下落しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は膠着感の強い展開となりました。米中貿易協議における第1段階合意への署名が予定通り行われましたが、サプライズはなかったこともあり日経平均の反発は小幅に止まりました。イベントを通過し日本企業の決算発表も再来週から本格化とあってしばらくは膠着感が強まる可能性もありそうです。

(マネックス証券 プロダクト部)