先週のマーケット展望で、「日経平均の2万3000円台前半は拾い場ではないか。なぜなら、米国とイランの軍事的な対立が強まっても、米国株相場に大きな影響はないからグローバルなリスクオフがずっと継続するような事態にはならないと思われる」と述べた。その通りの展開になった。結局、米国とイランの対立は激化せず、米国株は最高値を更新、日経平均も2万4000円台を再び伺う勢いだ。
今週の材料は大きく3つ。米企業の決算、経済指標、そして米中第一段階合意の署名式である。
まず米企業の決算は14日のシティグループやJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴを皮切りに、15日はバンク・オブ・アメリカとゴールドマン・サックス・グループ、16日にモルガン・スタンレーなど金融大手の決算発表が集中する。
経済指標は国内で14日の12月景気ウオッチャー調査、15日の12月の工作機械受注(速報値)、16日の11月機械受注が注目。特に、先週は工作機械協会が今年の受注は前年並みとの見通しを発表しファナックなど機械株が動意づいたので、今週も機械関連に注目したい。
海外は14日の中国12月貿易収支、15日の米地区連銀経済報告(ベージュブック)、16日の米12月小売売上高が注目。そして17日は中国の重要指標の集中発表日だ。12月小売売上高、工業生産、都市部固定資産投資に加えて10~12月期GDPも発表される。このところ中国景気の持ち直しで買われる銘柄も散見されることから大きな注目だろう。
しかしなんと言っても今週最大の注目イベントは、米中貿易協議の第1段階の正式合意だ。中国の劉鶴副首相が週初に訪米し、15日にホワイトハウスで署名式に臨む。ポイントは合意文書の内容だ。米政府の高官発言や発表文によると、第1段階合意には主に知財保護や技術移転の強要禁止などが盛り込まれるとのことだが、実際にはどういった内容になるのか注目される。加えて注目は、どんなビジネスの話が出るかだ。ブルームバーグの報道によれば調印式には中国の劉鶴副首相率いる代表団のほか、両国の企業幹部も参加する。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁や鐘山商務相も出席するという。ポジティブな材料が出ることに期待したい。
今週の日経平均の予想レンジは2万3500~2万4200円とする。