東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は110円高の2万3850円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数などもそれぞれ上昇しました。前日の米国市場が上昇したことを受けて、日経平均は73円高の2万3813円で寄り付きました。9時半過ぎに163円高まで上昇した日経平均でしたが、円安進行が一服したことなどから上げ幅を縮めると36円高の2万3776円で前場を終えました。日経平均は後場に入ると再び上げ幅を広げて、結局110円高の2万3850円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1678億円でした。東証33業種は鉱業や医薬品、海運業などの20業種が上昇した一方で、繊維製品や電気・ガス業、水産・農林業などの13業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。ソフトバンクグループ(9984)が1.7%上昇したほか、ソニー(6758)や東京エレクトロン(8035)、任天堂(7974)、ファナック(6954)、安川電機(6506)、村田製作所(6981)、アドバンテスト(6857)が上昇しました。中でも東京エレクトロンは、9日に日本半導体製造装置協会が2020年度の半導体製造装置の販売額見通しを前年同期比8%増に上方修正したことを受けて1.4%上昇しました。半導体製造装置メーカーでは他にもディスコ(6146)やSCREENホールディングス(7735)などが上昇しています。

一方売買代金トップのファーストリテイリングは、9日に発表した2019年9~11月期決算が減収減益となったことや2020年8月期通期の業績予想を下方修正したことが嫌気されて2.8%下落しました。またトヨタ自動車(7203)も小幅に下落しています。

そのほか材料が出たところでは、9日に発表した第1四半期決算は営業減益に終わったものの100億円を上限とした自社株買いを発表した島忠(8184)が10.8%上昇しました。また、セブン&アイ・ホールディングス(3382)は9日に発表した2019年3~11月期決算で純利益が前年同期比で9%増加したことや、通期予想に対する進捗も好調なことが好感されて3.7%上昇しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は、米雇用統計の発表や3連休を控えて様子見ムードになりやすいなか、中東情勢への過度な警戒感が後退したことを受けて続伸しました。日経平均は大発会以降乱高下が続いていますが、来週以降2万4000円台となるか注目されます。米中貿易協議の第1段階の合意について中国商務省高官が15日に署名すると発表したことや、トランプ米大統領が第2段階の合意に向けた交渉をただちに開始すると発言したことで、協議の進展が意識されています。ただし、トランプ大統領は同会見で第2段階の合意への署名は大統領選後になるとの見通しも示しており、引き続き動向に左右される相場が続きそうです。

なお、日本時間の本日22時半に米雇用統計が発表されます。先に発表されたADP雇用統計が好調だったこともあり本日の雇用統計も堅調な内容が期待されます。

(マネックス証券 プロダクト部)