東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は370円安の2万3204円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども総じて下落しました。前日の米国市場が反落したことやイランがイラクの米軍基地に報復攻撃を行ったことを受けて、日経平均は358円安の2万3217円と反落して寄り付きました。9時半過ぎに624円安まで下落した日経平均は、ドル円がやや円安に戻したことなどから下げ幅を縮めて前場を461円安の2万3114円で終えました。

トランプ大統領がツイッターで米軍の被害がそれほど大きくない見込みであると発信したことや、イランのザリフ外相が戦争を求めてはいないと発信したことからやや安心感が広がり後場に入って日経平均は持ち直しました。13時過ぎに272円安まで下げ幅を縮めた日経平均ですが、その後再び下げ幅を広げると結局370円安の2万3204円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5644億円でした。

東証33業種は鉱業を除く32業種が下落しました。中でも海運業が3.7%安と大きく下落したほか、精密機器やガラス土石製品、不動産業などが下落しています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。ソフトバンクグループ(9984)が1.4%下落したほか、任天堂(7974)やファーストリテイリング(9983)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、東京エレクトロン(8035)、村田製作所(6981)、キーエンス(6861)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が下落しました。一方で売買代金トップのソニー(6758)は0.1%高となっています。

材料が出たところでは、イランによるイラク米軍駐在施設攻撃を受けて一部の防衛関連銘柄に買いが入りました。石川製作所(6208)が一時ストップ高となり終値でも14.9%上昇したほか、自動小銃などを製造する豊和工業(6203)が7.2%高、戦闘機用レーダーなどを製造する東京計器(7721)が4.8%高となっています。一方で7日に2019年12月の売上高を発表したアダストリア(2685)は、冬物商品の売上不振などから既存店売上高が3か月連続で前年から減少したことなどが嫌気されて3.2%下落しました。また、2019年12月の既存店売上高が前年同月比で4%減少したことを発表したABCマート(2670)も1.6%下落しています。同社が本日引け後に発表した2019年3~11月期決算は前年同期比で小幅な増収増益となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

日本市場は中東情勢の緊迫化を受けて大幅に下落しました。ただ、本日朝にイランがイラクの米軍駐留基地を砲撃したと報じられたことで警戒感が高まったものの、昼頃にイラン外相がツイッター上で米国への報復終了を示唆する内容を投稿したことなどからリスク回避姿勢がやや和らぐ展開となりました。一時約1か月半ぶりに2万3000円を下回った日経平均が明日以降反発できるかが注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部)