今週の相場動向
相場回顧 BTC:10万円幅で大きく上下するも、週足では横ばい
BTCは、弱気相場の流れのまま17日にBTC=76万円(7,000ドル)を割り込むと、ロングのロスカットが相次ぎ、一時BTC=71万円(6,500ドル)を割り込んだ。しかし、直後には大口のショートカバーが入り、今週の下落分を一気に回復した。10万円幅で価格を大きく上下したものの、週足ではほぼ横ばいとなった。
今週は、特段目立った材料がない中で、急落そして急騰した。年末を前に、大口保有家の強気派と弱気派とが心理的にせめぎ合い、価格が動いているものと思われる。また、ここ最近の弱気相場に関して、中国のポンジスキーム詐欺である「PlusToken」が影響している、と指摘する米国調査会社Chainalysisのレポートも見られる。
アルトコイン市場は、BTCのボラティリティが高まる中で、軒並みBTC建てで下落した。BTC急騰の場面においても、大半で買い戻しの動きが限定的となっている。
来週の相場予想
年末前、高ボラティリティに警戒も底堅い推移を予想
米中貿易交渉やブレグジット問題などに進展が見られ、マーケットの不確実性が薄れる中、堅調な推移を見せる株式市場とは逆に、暗号資産市場は下落基調が続いている。中国動向への期待を除けば特段大きな買い材料もなく、根拠なき思惑的な売買によって価格が上下するばかりである。年末にかけては、投資家の節税対策としての売買が活発になることから、引き続き価格の急騰・急落には警戒が必要だろう。
しかしながら、我々は底堅い推移を予想する。底値の根拠をマイナーの損益分岐点に求める意見もあるが、マイナーに限らず、この業界ではビットコインの価格が事業収支に直結する企業も多い。トークン発行企業などはその最たる例である。その為、市場操作とまではいかないが、下落局面においても利益さらには事業を持続する為の買い支えが相応に入ると考えられる。
さらなる下落の可能性を否定するには材料に欠くが、引き続き直近下値としてBTC=76万円(7,000ドル)を意識する。