米ドル/円 日足
週間予想レンジ:109.50~111.00
メインストラテジー:高値追い
・再度200日移動平均線を乗せ、また11月高値の更新で上昇加速へ
・8月高値は分水嶺、11月高値は最初の確認、再度ブレイクした以上、上値余地拓く
・何らかの形で米中合意確実、リスクオンはむしろこれから、米株高の継続も追い風
アナリシス:
先週は大陽線をもって109.50円を再び突破し、8月高値のブレイクをホンモノであったことの証左を示す。先週も強調したように、米中合意を待つ雰囲気が濃厚のなか、11月中段における保ち合い自体がスピード調整の一環として認識され、先週の高値トライで従来のトレンド、即ちブルトレンドの再開や加速が示唆された。
週足におけるサイン、11月第1週の大陽線がもっとも重要だったことも繰り返し指摘してきた通り、11月第2、第3週の値幅は共に低下していた。そのため第1週の罫線と「インサイド」を形成し、先週の高値トライをもって上放れを果たしたと思われる。
8月高値109.31円のブレイクをもって新たな段階入りが示唆され、先週の上放れはブルトレンドの加速を意味し、高値追いも一手か。
この意味では、4月高値112.41円への「全値戻し」はもはや短期のターゲットとなる。年初来の変動幅に鑑み、上昇モメンタムの加速が想定されやすく、年末まで円安の一方通行、という可能性も浮上する。
テクニカル上の証拠は変わっていない。8月1日の大陰線、典型的な「弱気リバーサル」&「アウトサイド」のサインを点灯したからこそ8月の安値につながった。そのため同日高値は「分水嶺」の役割を果たし、ブレイクがあれば、最早「切り返し」ではなく本格的な上昇波と化したはずだ。
先週の高値更新はその結果と見なし、まだまだ初歩段階にいることを示唆する。中期スパンでは、4月高値112.41円までの上昇、途中の抵抗があっても総じて弱いレジスタンスしか存在しないとみなす。途中のスピード調整があっても、総じて浅い調整に留まるだろう。
度々強調してきたように、8月26日の一時安値更新や当日の陽線引けがあって、底打ちを果たす「リバーサル・デー」を果たしたわけだ。同サインの有効性は、109.32円のブレイクをもって最終的に証明され、また8月安値打診自体が究極な「ダマシ」であったことの証左を示す。
「ダマシ」ほど有効なシグナルはないから、これから反動高の意味合いでも4月高値112.41円の回復を図り、さらに昨年高値の114.58円の打診に道筋を付ける。先週の高値再更新、上昇モメンタムの加速を意味、押し目待ちに押し目なしといったリスクが意識される。
実際、11月27日の高値更新があって、8月高値前後における元抵抗ゾーンは一転してサポートゾーンと化し、109円前半はすでに支持ゾーンと化している可能性も大きい。
さらに、日足における「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」というフォーメーションの成立もあって、先週の高値トライがあってもあくまで途中とみる。
同指示ターゲットに鑑み、少なくとも4月高値112.41円の再打診の予想と合致しているから、先週にて再度200日移動平均線を乗せた以上、上昇モメンタムの加速が確実視される。
そのため、押し目買いのスタンスでは付いていけなくなる可能性がある。米中合意は来年にずれ込む可能性もあるが、逆に言えば年内不安材料が少なくなり、かえって米ドル/円の上昇を加速しよう。強気スタンスを維持、また積極的にトレンドをフォローしていきたい。
豪ドル/円 日足
週間予想レンジ:74.00~76.30
メインストラテジー:押し目買い
・8月の底打ちは9月高値のブレイクをもって確定、途中のスピード調整がすでに終焉した公算
・7月高値76円台前半の打診はもはや短期目標、通過点に過ぎず、80円関門を射程圏に収める
・押し目買いのスタンスがなお通用するが、残る時間がなくなり、ブル基調への復帰は間近
アナリシス:
先週は小幅反騰し、なお中段保ち合いに留まったものの、再度陽線で大引けし、途中のスピード調整がすでに終焉したことを示唆する。
週足では、先週と同様、11月第2週と「インサイド」のサインを形成、これからのブレイクをもって次のステップに入るだろう。
11月第2週に発表された豪雇用統計は弱く、豪ドルの一時「深押し」をもたらしたものの、結果的には「底割れ」を回避した。先週の切り返しもあって、そろそろブルトレンドへの復帰を果たすだろう。
既述のように、8月安値から引かれるメイン支持ラインを維持し先週も再度同ラインを維持してきた。あくまで途中のスピード調整と見なし、この蓋然性は高いとみる。
もっとも、度々指摘してきたように、9月高値へのブレイクをもって8月安値を起点とした上昇波の継続を確認できた。これからも息の長い上昇を果たせるから、目先を含めスピード調整があってもメインシナリオは変わらない。
換言すれば、8月安値69.97円を起点とした上昇波は推進波であり、ブルトレンドはまだ初歩段階だ。「深押し」があっても同位置づけはかわらず、またスピード調整があったからそこより健全なブルトレンドを形成できる公算が高いので、先週の切り返しは最初のサインと見なす。
11月中の反落、10月2日安値71.74円までの反落は途中のスピード調整を果たしたところと同じ構造を示す。10月初旬までの調整があったからこそトレンドを健全化させ、月初めにて76円前半のトライを果たした。今回も調整一巡後、ブルラリーの進行が期待でき、先週の最初のサインに鑑み調整がすでに一巡した可能性も大きい。
もっとも、7月後半から大きく続落して米ドル/円と連動し、また豪ドル/米ドルの続落という「ダブルパンチ」で一気に年初来安値を更新した。
その安値更新自体が下落波の「クライマックス」のサインとみなし、安値更新後の下値余地が限定的なら、むしろ底打ちしやすかったという我々のメインシナリオの通りだ。8月26日のサインが果たした「リバーサル・デー」の役割が大きく、9月高値のブレイクをもって最終認定が図られた。ゆえに、ブルトレンドは76円台に留まることがなく、これからも継続される公算。
9月高値のブレイクは重要なポイントである。同高値更新をもって前記シナリオの証左のみではなく、1月安値に対する一時の下放れ自体も大きな「ダマシ」のサインと化し、ここから紆余曲折でも4月高値80.75円へ全値戻しを果たす。こういったメインシナリオを維持、また近々の上放れをもって再度証左される見通し。
最近のサインとして、11月7日の陽線を中心に形成された「Ioi」のサイン(アウトサイドやインサイドを前後にして共有)、その下放れで続落をもたらした。また11月14日の大陰線や73.36円の安値打診に繋がったが、同サインの指示ターゲット(倍返し)がすでに11月14日安値をもって達成され、反落一服感が強かった。
目先を含め、その後の値動きはすべて同日の値幅に留まり、「インサイド」のサインを形成されてきたことに鑑み、やはりこれから上放れの見通しが大きく、ブルトレンドへの復帰が想定される。
その後のターゲットはまず200日移動平均線に照準、7月高値の打診を図るだろう。76円関門や76円台前半はターゲット、近々達成される公算。世界的株高でリスクオンムードの中、リスクオンの恩恵を受けやすい豪ドル/円はむしろ「出遅れた」感が強く、ブルトレンドへ復帰、またモメンタムの加速はこれからだと思う。