【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 28164.00  △42.32 (11/27)
NASDAQ: 8705.18  △57.24 (11/27)

1.概況

米国市場は米中貿易協議進展への期待が引き続き相場を支え4日続伸となり3日連続で主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。朝方に小幅安で推移していたダウ平均はやや持ち直し前日終値を挟んで揉み合う展開となったあと午後に入って買いが優勢になると結局42ドル高の28,164ドルとなり史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も13ポイント高の3,153ポイントとなり史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も57ポイント高の8,705ポイントとなり史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

7-9月の米GDP改定値は年率換算で前期比2.1%増と速報値の1.9%増から上方修正され市場予想も上回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比1万5000件減の21万3000件と市場予想を上回る改善となりました。10月の米耐久財受注も前月比0.6%増となり減少を見込んでいた市場予想を上回りました。民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注も1.2%増となり市場予想を上回っています。

一方で11月の米シカゴ購買担当者景気指数(PMI)は46.3となり市場予想を下回りました。10月の中古住宅仮契約指数も前月比1.7%低下の106.7となり市場予想を下回りました。10月の米個人所得も前月比横ばいとなり市場予想を下回っています。10月の個人消費支出(PCE)は前月比0.3%増となり市場予想と一致しましたが、変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータは前年同月比1.6%上昇に止まり市場予想を下回っています。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は経済活動が緩やかに拡大したとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスやコミュニケーション・サービス、情報技術など10業種が上げました。一方で資本財・サービスが下げています。

4.個別銘柄動向

2度の墜落事故を起こした737MAXについて米航空当局が出荷認証の手続きを厳格化すると伝わったことでボーイング(BA)が1%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、農機・建機のディア(DE)が減益見通しを発表したことが嫌気され4%以上下げました。デル・テクノロジーズ(DELL)も決算で売上高が市場予想を下回ったうえ、通期の売上高見通しの引き下げたことで5%を超える下落となっています。

一方でスポーツ用品のアンダーアーマー(UAA)が投資判断の引き上げを受けて6%以上上げています。決算で売上高や1株利益が市場予想を上回り目標株価の引き上げが相次いだ設計ソフトのオートデスク(ADSK)も5%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い1.76%となりました。ドル円では円安が進み109円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の23,500円を回復して12日に付けた年初来高値(23,520円)を更新しそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)