【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26787.36  ▼29.23 (10/14)
NASDAQ: 8048.65  ▼8.39 (10/14)

1.概況

先週末の米国市場は米中が貿易協議で部分的な合意に達したことを好感して3日続伸となりました。197ドル高でスタートしたダウ平均はトランプ大統領の貿易協議で良いことが起きるだろうというツイートを受けて昼前に500ドル高程度まで上げ幅を広げた後一旦上値が伸び悩みましたが、トランプ米大統領が午後に中国の副首相と面会し終了後に両政府が部分合意に至ったと報道陣に説明すると取引終盤に再び上げ幅を広げ517ドル高まで買われこの日の高値を付けました。その後引けにかけて急速に上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局319ドル高の26,816ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も106ポイント高の8,057ポイントとなり節目の8,000ポイントを回復しています。
昨日の米国市場は中国が合意文書にサインする前に一段の協議を望んでいると報じられたことなどで米中の貿易協議の先行きにやや不透明感が出たことが重石となり4日ぶりに小幅に反落しました。ダウ平均は一日を通して前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり29ドル安の26,787ドルで取引を終えています。また、ナスダック総合株価指数も8ポイント安の8,048ポイントとなりました。

2.経済指標等

先週末発表の9月の米輸入物価指数は前月比0.2%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も前月比0.2%上昇し市場予想を上回っています。また、10月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も96.0と前月から上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向

先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、資本財・サービスと素材が2%近く上昇しました。一方で公益事業と不動産、生活必需品の3業種が下げました。
昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や公益事業、生活必需品などの9業種が下げました。一方で不動産と金融の2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

先週末の米国市場でダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもダウ(DOW)が5%近く上げたほか、キャタピラー(CAT)も4%を超える上昇となりました。また、スリーエム(MMM)も4%近く上げたうえ、アップル(AAPL)とゴールドマン・サックス(GS)、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)も2%以上上げ、アップルは目標株価の引き上げを受けて上場来高値を更新しています。一方でマクドナルド(MCD)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、コカ・コーラ(KO)が下げています。
昨日の米国市場ではナイキ(NKE)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて1%余り上げ上場来高値を更新したほか、半導体のウエスタンデジタル(WDC)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて1%を上回る上昇となりました。また、情報技術大手のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)も投資判断と目標株価の引き上げを好感して4%以上上げています。一方でセキュリティー対策サービスのクラウドストライク・ホールディングス(CRWD)が売りの投資判断を受けて9%以上下げています。コーチを手掛けるタペストリー(TPR)も投資判断の引き下げを嫌気して3%近く下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.06%高い1.73%となりました。昨日の債券市場はコロンバスデーの祝日で休場でした。ドル円は108円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は先週末の米国市場の大幅高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)