東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は246円高の2万1798円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数なども上昇しましたが、マザーズ指数は下落しました。米中通商交渉への期待感から前日の米国市場が上昇したことを受けて、日経平均は197円高の2万1749円と続伸して寄り付きました。10時前にドル円が108円台をつけるとじりじりと上げ幅を広げた日経平均は、209円高の2万1761円で前場を終えました。後場に入ってからも堅調に推移した日経平均は、14時過ぎに268円高で高値をつけるとやや上げ幅を縮めたものの結局246円高の2万1798円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1185億円と節目の2兆円を6営業日ぶりに上回りました。

東証33業種はサービス業と情報・通信業、水産・農林業の3業種を除く30業種が上昇しました。中でも鉱業は3%以上上昇し、海運業や証券商品先物、輸送用機器、金属製品も2%以上上昇しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップのファーストリテイリング(9983)が2.6%上昇したほか、SUMCO(3436)やトヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、セブン&アイ・ホールディングス(3382)、東京エレクトロン(8035)、村田製作所(6981)、リクルートホールディングス(6098)がいずれも上昇しました。中でもファーストリテイリングは10日に発表した2019年8月期決算で6-8月期の営業利益が前年同期の26億円の赤字から99億円の黒字に転換するなど好調だったほか、2020年8月期も増収増益予想とし4年連続で過去最高を更新する見通しであると発表したことを受けて買われました。また、セブン&アイ・ホールディングスは10日に百貨店と総合スーパー事業の人員削減や一部店舗の閉鎖を発表し、収益改善などが期待されて4.9%上昇しました。一方で任天堂(7974)やソフトバンクグループ(9984)は下落しました。

その他材料が出たところでは、無印良品を展開する良品計画(7453)が10日に発表した2019年3~8月期決算が減益となり通期の業績見通しを下方修正したものの、下期の計画に変更がなかったことを受けて業績底入れを期待した買いが入り5.6%上昇しました。一方でジャスダック市場の文教堂ホールディングス(9978)はノーベル文学賞発表に向けた思惑買いが入っていましたが、有力候補と見られていた村上春樹氏が受賞を逃したことを受けて一時7か月ぶりの安値をつけ終値でも15.3%下落しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇し、日経平均は25日移動平均を150円近く上回り一時2万1800円台をつけました。初日の米中閣僚級協議についてトランプ米大統領が「非常にうまくいった」と発言したことや、中国副首相と会談する意向を示したことなどから進展期待が高まっており、交渉結果が注目されます。また、本日引け後には東宝(9602)や島忠(8184)、高島屋(8233)などが決算を発表しています。

(マネックス証券 プロダクト部)