東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は212円高の2万1587円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども総じて上昇しました。ドル円が107円前半まで円安に振れたことを受け、日経平均は119円高の2万1494円と反発して寄り付きました。日経平均は上げ幅を200円超まで広げた後はやや伸び悩みましたが、11時前から再び上げ幅を広げると221円高の2万1596円で前場を終えました。後場に入ってからも高値圏で推移した日経平均は引け間際に253円高の高値をつけた後は上げ幅をやや縮めたものの212円高で取引を終え、節目の2万1500円や25日移動平均(2万1580円)を上回りました。東証1部の売買代金は1兆9104億円でした。

東証33業種は保険業と電気・ガス業、空運業を除く30業種が上昇しました。中でも精密機器が2%以上上昇したほか、金属製品や石油石炭製品、繊維製品などが1%台後半の上昇率となりました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が0.8%上昇したほか、任天堂(7974)やトヨタ自動車(7203)、村田製作所(6981)、ファーストリテイリング(9983)、キーエンス(6861)、武田薬品工業(4502)、NTT(9432)が上昇しました。一方でソニー(6758)とオルトプラス(3672)は下落しました。オルトプラスは開発に参加しているゲームアプリ「ヒプノシスマイク」への期待から連日上昇していましたが、3.8%下落しました。

その他材料が出たところでは、韓国サムスン電子が8日に発表した2019年7~9月期決算が前年同期比では大幅減益だったものの4-6月期に比べると増益となったことから半導体市況の底入れ期待が高まり半導体試験装置のアドバンテスト(6857)が4.4%上昇したほか、ディスコ(6146)や東京エレクトロン(8035)も上昇しました。一方で7日に9月既存店売上高が前年同期比で20%以上増加したことを発表した英国風パブチェーンのハブ(3030)は、ラグビーワールドカップ開催に伴う需要増加の期待から8月末以降株価が約30%上昇していましたが、材料出尽くし感から売りに押されて5.4%下落しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は米国株安にもかかわらず上昇する強い1日でした。一方で東証1部の売買代金は3日連続で活況の節目である2兆円を割っています。米中閣僚級協議を前に様子見姿勢が強まるなか、日本時間9日午前3時半に行われるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演の内容が注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部)