【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27147.08  △36.28 (9/18)
NASDAQ: 8177.39  ▼8.62 (9/18)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。35ドル安でスタートしその後も軟調に推移していたダウ平均はFOMCでの金融政策の見通しが利下げ停止を示唆する内容だったことから急速に下げ幅を広げ一時211ドル安まで売られました。しかし、会合後のパウエルFRB議長の記者会見が追加利下げの可能性を残す内容だったことから持ち直すと取引終盤にプラスに転じ結局36ドル高の27,147ドルで取引を終え続伸となりました。また、S&P500株価指数も1ポイント高の3,006ポイントとこちらも続伸となっています。

一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は取引終盤に大きく下げ幅を縮めたものの戻し切れず8ポイント安の8,177ポイントと反落となっています。

2.経済指標等

米連邦公開市場委員会(FOMC)は市場の予想通り政策金利の0.25%の利下げを決めましたが、参加メンバーの2019年末と2020年末の政策金利の見通しは1.875%となり利下げの停止を示唆する内容となりました。しかし、声明文に景気拡大を維持するため適切に行動するとの文言を残したうえ、会合後の記者会見でパウエルFRB議長は今後の金融政策について景気が悪化すれば利下げが適切になると述べ追加利下げ継続の可能性を残しました。また、8月の米住宅着工件数は年率換算で前月比12.3%増の136万4000戸となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や金融、素材など6業種が上げました。一方でエネルギーや不動産などの5業種が下げました。

4.個別銘柄動向

米住宅着工件数が市場予想を上回ったことから住宅建設のレナー(LEN)が2%高となりました。半導体製造装置のKLA(KLAC)も目標株価の引き上げを受けて3%以上上げています。一方で物流大手のフェデックス(FDX)が決算と通期の利益見通しが市場予想を下回ったことで急落し13%近く下げました。ペット用品のネット通販を手掛けるチューイー(CHWY)も決算で1株損益の赤字幅が市場予想を上回ったことで6%以上下落しました。さらにソフト大手のアドビ(ADBE)が2%近く下げています。決算は市場予想を上回ったものの売上高見通しが市場予想を下回ったことで売られました。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い1.79%となりました。ドル円は円安に振れ108円40銭台で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場でダウ平均が小幅ながら上昇に転じて取引を終えたことやドル円が円安となっていることから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,000円を回復してどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。また、金融政策に変更はないとみられますが昼頃に発表される予定の日銀の金融政策決定会合の結果が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)