今月は、多くの企業が株式公開を控えており、市場全体のボラティリティは小さくなりそうだ。

シェアオフィス「WeWork」を運営するウィーカンパニー（WE）や自宅で歯列矯正が出来るキットを販売するスマイルダイレクトクラブ（SDC）などの有名企業は、今月の新規株式公開（IPO）でそれぞれ10億ドル以上を調達するとみられている。5月に上場したウーバー・テクノロジーズ（UBER）、4月のピンタレスト（PINS）などの大型IPOと相まって、市場は2014年以来の繁忙期を迎えている。

今回のようにボラティリティが小さくなると、投資家は積極的に売買を進めるので、IPOの人気が高まる傾向にある。一般に、市場全体が落ち込んでいる時は、株式の発行は遅くなる。この傾向は2018年後半に見られた。

スマイルダイレクトクラブ（SDC）は来週木曜日に約10億ドルを調達する計画で、これまでに予定されている中でも最大の案件だ。同社は、インターネット上で歯科用矯正装置を販売している。
その後、専門の矯正歯科医によるオンラインモニタリングを提供し、従来の装具のコストを半減させた。クラウドコンピューティングなどのように、新興企業がテクノロジーを使ってイノベーションを行っている一例である。

その他の注目IPO

「WeWork」を運営するウィーカンパニー（WE）のIPOの規模はさらに大きくなる可能性がある。報道によると、同社は約35億ドルの資金調達を望んでおり、投資家向けプレゼンテーションは早ければ来週から開始するという。

他にもいくつかの企業にIPOの高い期待が寄せられているが、まだ正式には予定されていない。

・ペロトン(PTON):個人向けのフィットネスマシンの販売を行う
・クラウドマインド社(CMDS):クラウド上のAIとロボットを繋ぐ神経細胞網を含むプラットフォームの構築、及びサービス提供
・エンデバー(EDR):俳優、選手、シェフ、作家を代表する設立121年のタレントエージェンシー

これらIPO以外にも、市場を活性化する要因がある。トランプ大統領が中国との貿易協定を締結した場合だ。世界の2大経済国間の円滑な関係は、緊張を和らげるだけではない。2018年に中国ハイテク企業の大型上場が相次いだように、市場が活況になる可能性もある。

今後のIPOに関する情報に注目したい。

 

（原文）
A Wave of IPOs Is Building, Led by WeWork and SmileDirectClub

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