米中貿易戦争が激化する中、株式市場は依然として圧力を受けている。S&P 500は先週の大半でプラスだったが、その後金曜の朝になると、次々と出来事がおこった。まず初めに、中国は750億ドルの関税を米国製品に課したのだ。

トランプ大統領は米国企業に対し、サプライヤーとして直ちに中国の代替品を探し始めるよう命じるなど、素早い対応をした。S&P 500は直ちに下落し、8月16日(金)から8月23日(金)の期間で1.4%も下落した。4週連続でのマイナスとなり、過去6年間で5番目のマイナスリターンとなった。経済に敏感な輸送関連株は2倍以上も下落した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、来月にも利下げを実施する見通しだ。

新規失業保険申請件数は労働市場の強さを示し、住宅の数字はまちまちだった。ドイツでは景気後退の話題が広がっていた。

S&P 500の値動き

S&P 500はこの1ヶ月で2825~2940の間で上下している。そして、現在50日移動平均線を下回る水準に収束している。その下にある200日移動平均線で価格が耐えられるかが試されている。

S&P 500日足チャート。2,825~2,940の間のレンジ相場になっている

肥料や化学製品などの素材関連株は先週、最もパフォーマンスが悪いセクターだった。それは驚くことではない。なぜなら、世界経済に左右されることが多いためだ。同様の理由でエネルギーセクターも低下した。

イールドカーブが再び反転する中、銀行や金融機関は苦戦した。しかし、金利の低下により住宅関連株は上昇につながったのだ。金鉱セクターは、経済・貿易不安の恩恵を受けた。

一方、売り手優勢となったのはアップル(AAPL)、ナイキ(NKE)、キャタピラー(CAT)など中国への影響が大きい企業などであった。

ターゲットが市場を席捲

ディスカウントストアのターゲット(TGT)は先週、S&P 500の中で最高のパフォーマンスを上げ、23%上昇した。デジタルトランスフォーメーションがうまくいっていることを示す兆候が現れたことで、株価は初めて100ドルを突破したのだ。

ノードストロム(JWN)とロウズ・カンパニーズ(LOW)はそれぞれ約13%の利益を上げた。百貨店チェーンのノードストロムは、四半期決算が在庫過剰を回避し、ニューエコノミーが適応することを一部の投資家に期待していたことから反発した。利益率が高く、請負業者からの需要があったため、利益が少なかった。

しかし、エル・ブランズ (LB) は14%下落し、過去10年間で最低の水準となった。展開するビクトリアズシークレットに対する需要が旺盛だったことから、株価は10年前には3桁台にまで上昇していた。現在、既存店の低迷により、エル・ブランズ は20ドルを下回る水準まで下落している。

ゼネラル・エレクトリック(GE)は先週、S&P 500の中で、9%下落し、2番目に悪いパフォーマンスを上げた。これは、同社の会計処理をめぐる問題が今月に入って続いたためだ。

真夏の静かな週

今週は夏休みのため、1年で最も静かな週の1つになるだろう。それでもなお、おそらく中国との貿易戦争についてより多くのニュースがあると予想される。

26日(月)には耐久財受注が発表、翌27日(火)には消費者信頼感指数が発表される。オートデスク(ADSK)の決算も火曜日午後に発表される。

28日(水)には、石油在庫統計。

29日(木)は最も忙しく、 四半期実質国内総生産(GDP)改定値、新規失業保険申請件数、住宅販売保留指数が発表される。

レーバーデーで3連休前となる30日(金)は、個人所得・支出が発表される。

 

※本レポートは、トレードステーション社のDavid Russell氏がマネクリに特別に書き下ろしたレポートです。「TradeStation Market Insights」上での掲載はございません。また、機械翻訳を用いており、日本語が正確でない場合がありますので、あらかじめご了承ください。