【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26252.24  △49.51 (8/22)
NASDAQ: 7991.39  ▼28.82 (8/22)

1.概況

米国市場はジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控え様子見となるなか小幅に高安まちまちとなりました。ボーイング(BA)の大幅高に支えられたダウ平均は続伸となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反落となりました。68ドル高でスタートしたダウ平均は186ドル高まで買われた後上げ幅を縮めると米債券市場で景気後退の兆候とされる10年債利回りが2年債利回りを下回る逆イールドが一時発生したことでマイナスに転じ103ドル安まで売られましたが、切り返すと昼頃に再びプラスとなり引け間際には140ドル高近くまで上昇する場面もみられました。引けにかけて急速に上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局49ドル高の26,252ドルで取引を終えています。

一方でS&P500株価指数が1ポイント安の2,922ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も28ポイント安の7,991ポイントとなっています。

2.経済指標等

8月の米製造業PMI速報値は49.9と前月から低下し2009年9月以来約10年ぶりに拡大と悪化の分かれ目となる50を割り込み市場予想も下回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万2000件減の20万9000件となり市場予想を上回る改善となりました。7月の米景気先行指標総合指数も前月比0.5%上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種うち素材やヘルスケア、エネルギーなどの6業種が下げました。一方で金融や生活必需品、不動産などの5業種が上げています。

4.個別銘柄動向

2度の墜落事故を受けて運航を停止している737MAXの運航再開に前向きな評価や増産計画が伝わったことでボーイングが4%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。ボーイングはダウ平均を1銘柄で100ドル近く押し上げています。また、百貨店大手のノードストローム(JWN)が決算は減収減益ながら1株利益が市場予想を上回ったことで急伸し16%近く上げています。スポーツ用品販売のディックス・スポーティング・グッズ(DKS)も決算で既存店売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで3%以上上昇しました。さらにディスカウントストアのターゲット(TGT)は目標株価と投資判断の引き上げを受けて3%以上上げています。

一方で女性向け衣料・雑貨のエル・ブランズ(LB)は決算が市場予想を下回る減収減益だったことで5%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い1.61%となりました。取引時間中に10年債利回りが2年債利回りを下回る逆イールドとなる場面がみられました。ドル円は106円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなかジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を控え様子見ムードの強い一日となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)