前回前々回のコラムでは、下げ三波動を重視せざるを得ないとして変化日、計算値を提示しました。

変化日としては、9月2日・3日・4日が3つの三波動構成変化日の重なりを示唆しています。計算値は103円台に重なるものがあり、8月12日安値の妥当性は乏しいとせざるを得ないのです。

下げ三波動構成変化日ではない8月13日も、また1月3日からの上昇80日に対する4月高値から80日目として提示していました。しかし先週の変動では8月13日に大幅陽線を出した後、12日安値、13日高値の間での変動となっています。

8月13日の高値は日足基準線水準、6月25日安値水準でもあり、現時点では単なる戻りである可能性も残ってしまっています。

前回まで提示した変化日は今後も生きているものの、基準線、転換線の受動的変化も今週はなく、ヒントは乏しい現在位置であります。

従って、今回は久しぶりに9週足の観点から、相場の現在位置を確認しておきたいと思います。

【図表1】米ドル/円(9週足)
出所:筆者作成

図表1は2017年年末から先週までの米ドル/円9週足です。

9週足は、当週終値と9本前の寄り付きで作成するローソク足です。考え方としては9の遅行スパンと同じものとなります。

陰連数、陽連数ともに基本数値、対等数値に律せられやすい傾向があり、相場の現在位置をざっくりと把握するのに非常に便利なものです。

2017年11月6日週からの下落過程では、まず17陰連が出ています。その後の陽連は前陰連数と同じく17、1陰、3陽、1陰は一種のモミアイ過程です。

その後10陽連が出ています。9陽連以上が出たことは上昇相場の柱になりえるとして良いものではあると同時に、2017年からの下落過程で出した17陰連に対して17陽連、1陰、3陽、1陰、10陽連の時点で、2017年高値を回復できていないことが問題となります。

10陽連後の2陰、1陽はやはりモミアイでありまして、その後の10陽連に対する10陰連を出し、10陰連に見合う形で9陽連を出しました。

先週まで16陰連となっていますが9陰連目、10陰連目、また基本数値の13陰連目がどのような位置にあったか見てみましょう。

【図表2】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成

9陰連目10陰連目の段階で陰連長期化は明白であったことがわかります。

13陰連目の7月23日変化日週は陽転の可能性がありましたが、結局は大きく下落、現在まで17陰連となっています。

現在の高値位置は6月25日安値にも達していませんから、さらなる陰連継続は確定的であります。

9週足の場合陰連数、陽連数ともに9本以上で方向性の柱となります。

2019年1月安値までの下落で出た10陰連は、前10陽連に対応するものでしたからそのまま下げを決定づけるものとはなりませんでした。しかし、その後は10陽連を出せずに9陽連に留まり、9陰連以上を出しましたからこれは当然下げ時代なのであります。

救いがあるとすれば、これだけの陰連数を出しても1月安値を割り込んでいないことです。しかし、これもまた下げ三波動の時間償却を経なければ、是となるか非となるかははっきりしないのです。

【図表3】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

図表3・4は日足均衡表です。現在基準線と転換線の間に位置していますが、8月12日安値、13日高値の間で推移するならば基準線は9月3日まで動かず、転換線は8月23日まで動きません。

いずれも下げ三波動構成変化日であり、目先においても動きを見せるのは8月23日、26日からと見たほうが良いでしょう。

【図表4】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。