先週変動の肝

前回7月30日のコラム「米ドル/円の上昇は限定的、現在位置からの下落は均衡表との反応に着目」では、上昇あっても限定的と述べました。

その際、9週足の陽転の可能性は考慮できる状態にあり、6月5日起点のモミアイ継続を軸とすると述べましたが、8月31日109.315円から大きく下落し、8月6日現在105円台半ばまでの下落となっています。

先週の変動は次の点が非常に大事であったため、まずその確認からしておきましょう。

5月31日、6月5日起点のモミアイ相場から見た場合

先週まで6月5日起点のモミアイ相場ととらえ、その経過を見てきました。

6月5日から17日目は6月27日同水準、26日目は7月10日高値、33日目は7月19日、とモミアイでの基本数値の現れ方が顕著でした。42日目7月31日は高値決まりの可能性を一応懸念すべき変化日と言えました。

また、5月31日の相場実線と遅行スパンは108.483円で交わっています。均衡表各線の交わりは相場水準を示唆、遅行スパンと実線が初めて交わったポイントはモミアイ起点になり得ます。この値段は、2019年1月31日安値108.498円とほぼ同じ水準となっています。

2019年1月31日は、1月3日安値後の小さな二番底と言えますが、時間的には2016年6月安値からほぼ一巡環と言ってよい677日目でありました。

また月足では、6月ローソク足で先行スパン下限割れとなりました。この時の先行スパン下限108.351円、この値段をつけたのは5月31日です。

従って5月31日を起点とする時間経過もまた大事です。基本数値の現れ方は9日目6月12日終値108.502円、26日目7月5日終値108.483円、42日目7月29日終値108.781円と同水準をつけてきていました。

これまで何度も述べているように、上昇・下落時間に対するモミアイ時間はモミアイ放れの分岐点として非常に大事と言えます。5月31日から45日目(4月高値から6月25日安値まで45日の下落)は8月1日でした。

また8月1日は基準線、転換線とも上昇し先行スパン下限と交わっています。これは長・中・短期の相場水準が重なっていることを示唆しますが、交わった直後の反動はお見合いの範疇にあるときは常に警戒せねばなりません。

9週足から見た場合

9週足は先々週まで13陰連、先週は6月5日安値週から9週目であり、108.311円を割らなければ基本数値の陰連後の陽転となり、陽転の可能性は充分考えてよい状態でした。
逆に108.311円割れは、下げ三波動変化日が7月30日に経過しているだけに、大いに注意しなければならないものでした。

結果的に9週足は14陰連となり、少なくとも17陰連(今週15陰連目)を考えなくてはならなくなりました。

7月23日変化日から上げたことで楽観しすぎましたが、このような変化の仕方は繰り返しご検証ください。

下げ三波動を軸とせざるを得ない

8月1日からの下落によって、6月25日を割り込み下げ三波動継続が明確化しましたが、直感的には形は非常に悪いとせねばなりません。

6月25日までの下落が第一波動となりますが、7月10日高値を8月1日に上抜いたことで第二波動時間が長くなってしまっているからです。8月1日からの下落は4日と日が浅く、安易に下げ止まりを期待すべき位置ではありません。

計算値、変化日を整理しておきます。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

先行スパン下限108.351円を中心と置けば108.351円×2-112.398円(4月高値)=104.304円は1つの目安となりますが下げ三波動構成上は目先6月25日V104.214円、8月1日N103.695円などが大事です。

8月1日NT106.232円をわずか3日で割り込んでいるだけに、下げの勢いが極めて大きいことがわかりますが、8月1日から一本の下落で計算値の下げ止まり、底値打ちはまず考えにくいものがあります。

三波動、適切な時間関係での計算値には底としての妥当性が出てきますから、ここではまず下げ止まりの位置と反発力が大事となります。

定型的に重視すべきは8月23日、26日までの下落ということですが、他の下げ三波動も確認しておきましょう。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

4月24日までを第二波動とすれば、少なくとも9月2日までの下落を考えなくてはなりません。中間波動でもあるので、4月安値から80日の上昇に対して80日目8月13日は大事となります。

また4月高値から76日目8月7日も大事であり、目先変動では76日目の在り方もまた大事と言えるでしょう。

【図表3】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成

図表3は週足となります。

2017年11月6日高値から2018年10月4日高値まで238日に対し、2018年高値から238日目が9月4日となります。

8月1日現在218日目であり、226日、229日、233日などもまた下げ止まりを勘案するうえで大事とご理解ください。

また、2016年12月高値からの一巡環676日目は7月23日に経過したわけですが、2018年1月3日高値からの一巡環は8月9日に経過します。

8月1日高値から下げの一本が、これらの時間関係とどのような関わりを持ってくるかが非常に大事と言えます。いずれにしても下げ止まりと反発力を見てということになりますが、8月末までは売り優先とせざるを得ないでしょう。

 

※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。