先週、景気に対する懸念が続く中、米国市場は再び下落したが、FRB(米連邦準備理事会)は、間もなく強気に戻るかもしれない。

S&P 500は8月9日(金)~8月16日(金)にかけて1%下落した。同指数は、3週連続で下落し、このペースだと8月は、今年に入り2番目に大きく下がった月になる。

逆イールド・カーブが大きな材料となった。銀行株とダウ平均株価全体が売られるなど、逆イールド・カーブの影響が短時間で明らかになった。それを受け、ペシミスト(悲観主義者)は、景気後退を予測したが、翌日に、堅調な小売売上高の発表を受け、米国経済の成長見通しが上方修正された為、景気後退という考えは馬鹿げているように見えた。

何が起きているか?第1に、海外経済の低迷を受けて、金利が低下している。逆イールド・カーブは、中国とドイツの工業生産、国内総生産(GDP)、小売売上高、固定資本投資などのあまり良くない結果データが発表された後に起こったことを覚えているだろうか。

S&P500日足チャート。安値と200日移動平均線が徐々に切り上がっている

第2に、米国消費は強く、今後もさらに強くなるだろう。7月の小売売上高は2カ月連続で2倍以上となった。これは、経済の一部である設備投資や製造業の低迷を相殺するのに役立っている。

アップル(AAPL)はテクノロジーを強くする

先週の興味深いことの1つは、S&P 500のパフォーマンスに大きな違いがあったことである。エネルギー部門は在庫増加と、世界経済の鈍化が需要を押し下げたことで、マイナスに転じた。また、この部門が相次ぐ倒産に直面するのではないかという懸念も高まっている。

金融市場は逆イールドカーブにより暴落し、業績悪化のため小売り業者も打撃を受けた。小売売上高が予想より高く上回っているにも関わらず、小売業界が数年ぶりに低水準に落ち込んでいる。つまり、米国消費が強いからといって、それはメーシーズ(M)や、コールズ(KSS)といった百貨店で消費しているわけではないということだ。

しかし、トランプ大統領がiPhoneを含む一部の中国製品の関税を撤回したことから、アップル(AAPL)はほぼ3%上昇した。このため、先週、テクノロジー・セクター全体がほとんど下落しなかった。

主要セクターで生活必需品セクターが最もパフォーマンスが良かった。他にも公益事業や債券などのセーフヘイブン(安全資産)が増えたが、金鉱の採掘業者は2カ月間にわたって着実な利益を上げていた。

ウォルマート(WMT)がランキング上位

先週、ウォルマート(WMT)は、予想を上回り、業績見通しを上方修正した後、5%以上も株価が上昇し、S&P 500の中で最も高いパフォーマンスを出した。これは、他の小売業者、特にオンライン販売業者の費用によって市場シェアが伸びたためだ。

マイクロン・テクノロジー(MU)日足チャート。最近50日移動平均線が200日移動平均線を上回るゴールデン・クロスを示した

ラム・リサート(LRCX)と、マイクロン・テクノロジー(MU)の2つの半導体企業は、ウォルマート(WMT)の足元に近づいていたが、この2つの企業のニュースは特になかった。

コーチの親会社であるタペストリー(TPR)は27%、メーシーズ(M)は18%、ノードストロム(JWN)は14%下落と、伝統的小売業者2社はマイナスに転じている。

パウエル議長はジャクソンホールで講演

S&P 500は、毎月低迷しているが、2,822(8月5日安値)を上回りを維持している。もし、この水準が維持されれば、3月8日以降3度目の高値を更新することになる(上のグラフ参照)。

最近のボラティリティーは、強気になれるイベントがないことが一部の原因だ。結局、7月31日にFRB(米連邦準備理事会)が金利を引き下げた後には、プラスの動きはほとんど残っていなかった。企業収益も減少している。

市場が静かな夏休み期間に入るにつれて、イベントも少なくなるだろう。パウエル議長の8月23日(金)の演説は、注目すべきイベントだ。

ホームデポ(HD)、シー(SE)、ティージェイエックス・カンパニーズ (TJX)は、四半期決算を8月20日(火)に発表する。

FRB(米連邦準備理事会)の先週の会合では、原油在庫、既存の住宅販売、議事録などが明らかになった。ノードストロム(JWN)と、エル・ブランズ (LB)は、8月21日(水)の取引終了後に、決算発表を行う。

それらのイベントの後は、8月22日(木)にワイオミング州ジャクソン・ホールで開催されるFRBの年次シンポジウムに注目が移るだろう。また、失業保険やセールスフォース・ドットコム(CRM)の決算発表も間近だ。

8月23日(金)には、午前10時にパウエル議長のスピーチが開かれ、米新築住宅販売数も発表される。より多くの利下げを確認するコメントは、株式にとってプラスになる可能性が高い。

結局、先週も市場は不安定な状態が続いた。しかし、今や、FRB(米連邦準備理事会)からのより友好的なメッセージに注目が移るかもしれない。

 

(原文)
Stocks Fall Again as Economic Fears Keep the Volatility Coming

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