【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26007.07 ▼22.45 (8/7)
NASDAQ: 7862.83 △29.56 (8/7)
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ドイツの鉱工業生産が予想以上に落ち込んだことや、インドやタイ、ニュージーランドの中央銀行が相次いで利下げを決めたことで世界景気の減速が懸念され215ドル安でスタートしたダウ平均は一時589ドル安まで売られましたが、大きく低下していた米長期金利が下げ幅を縮めたことやシカゴ地区連銀のエバンス総裁の一段の利下げが必要との発言を受けてハイテク株中心に買い戻しが入ると大きく持ち直す展開となり引け間際には43ドル高とプラスになる場面もありました。結局ダウ平均は22ドル安の26,007ドルで取引を終え小幅反落となっています。
一方でS&P500株価指数が2ポイント高の2,883ポイントと続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も29ポイント高の7,862ポイントとなりこちらも続伸となっています。
2.経済指標等
6月の米消費者信用残高は145億9591万ドル増に止まり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、素材と生活必需品が1%以上上昇しました。不動産も1%近く上げています。一方で金融やエネルギーなどの5業種が下げ、金融は1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ドラッグストア大手のCVSヘルス(CVS)が市場予想を上回る決算を受けて買われ7%を超える上昇となりました。外食のウェンディーズ(WEN)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで8%以上上げています。後発医薬品のテバ・ファーマシューティカルズ・インダストリーズ(TEVA)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで3%以上上昇しました。
一方で決算が市場予想を下回ったことでウォルト・ディズニー(DIS)が5%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で50ドル近く押し下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い1.73%となりました。一時は世界的な金融緩和の広がりを受けて1.59%まで低下し2016年10月以来の低水準を付ける場面もありましたが、国債の入札が低調だったこともあり持ち直しました。こうしたなかドル円は105円台半ばまで円高が進む場面もありましたが、朝方は106円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は新たな売り材料に乏しいことから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)