【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26717.43 △117.47 (7/1)
NASDAQ: 8091.16 △84.92 (7/1)
1.概況
米国市場は米中首脳会談で貿易協議が再開されることになり対中関税第四弾の発動が先送りとなったことから続伸となり、S&P500株価指数が史上最高値を更新しました。ダウ平均は205ドル高でスタートするとまもなくして290ドル高の26,890ドルまで買われ昨年の10月3日に付けた史上最高値(26,828ドル)を一時上回る場面もありましたが、その後上げ幅を縮めると午後には16ドル高まで弱含みました。しかし、取引終盤に持ち直し結局117ドル高の26,717ドルで取引を終え続伸となっています。
また、S&P500株価指数が22ポイント高の2,964ポイントと3日続伸となり6月20日に付けた史上最高値(2,954ポイント)を上回っています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も84ポイント高の8,091ポイントと4日続伸となりました。
2.経済指標等
6月のISM製造業景況感指数は51.7と前月から低下しましたが市場予想を上回っています。一方で5月の米建設支出は前月比0.8%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、情報技術と金融が1%以上上昇しました。一方で公益事業と不動産の2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
米中首脳会談で対中関税第四弾の発動が先送りとなったことでアップル(AAPL)が2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、米中首脳会談を受けて米政府が米企業による中国のファーウェイへの輸出を認める方針に転じたことから半導体関連株が買われました。ウエスタンデジタル(WDC)やブロードコム(AVGO)が4%以上上げたうえ、マイクロン・テクノロジー(MU)も4%近く上昇しました。さらにアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も3%近く上げ、クアルコム(QCOM)も2%近く上昇しています。
一方で米司法省が2度の墜落事故を超した737MAXに加えて787の製造を巡る捜査も進めていると伝わったことでボーイング(BA)が2%余り下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。化粧品のコティ(COTY)はプロクター・アンド・ギャンブル(PG)から取得したブランドについて30億ドルの減損を計上すると発表したことなどから急落し13%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い2.02%となりました。ドル円は108円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は大幅高となった翌日ということもあってやや売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日上回った200日移動平均線(昨日時点で21,632円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)