先週金曜日の日経平均は、25日移動平均と5日移動平均に挟まれた小幅陽線で終わったが、上にも下にも動きにくいという、まさに相場の膠着感を表すような形となった。

今週の相場の注目点はなんと言っても18-19日のFOMCだが、さすがに今回会合での利下げを見込む向きは少ない。一方、7月利下げ観測は非常に高いだけに、次回利下げを示唆するような手掛かりが出てくるかどうかが最大のポイントとなる。声明文の変化、パウエル議長の発言、ドットプロット及びメンバーによる経済見通しなどからヒントを探ることになる。

市場が納得するような手掛かりが得られれば米国株は上がるだろう。反対に7月利下げにつながるような示唆がない場合、市場は一時的に不安定になるだろうが大崩れはしない。年内利下げ期待が根強く残るうちは、本格的に売ることはできないからだ(詳しくは先週末のストラテジーレポートご参照)。

それにしても本当に「予防的利下げ」はあるのか、そもそも必要なのか。先週末発表された米国の経済指標は総じて良好だった。5月の小売売上高は前月比0.5%増と市場予想(0.6%増)を小幅に下回ったが、4月分が上方修正された。-0.2%から0.3%へと0.5%も上方修正されたことも大きいが、マイナスからプラスへの修正はもっと大きい。小売売上高は減少しておらずむしろ増加していた。自動車を除く小売売上高は市場予想0.3%増に対して結果は0.5%増、前月分は0.1%から0.5%に上方修正された。つまり、4月も0.5%、5月も0.5%と連続して堅調に消費が伸びている。5月の鉱工業生産指数やミシガン大学の消費者態度指数も市場予想を上回った。

利下げが必要なほど悪いデータは何一つ出ていない。果たしてFedが米中貿易戦争の影響を考慮して「予防的に」動くかどうかだ。

その米中貿易戦争に関して最大のヤマ場はG20での米中首脳会談の有無。28日、29日のG20のタイミングで米中首脳会談が開催されるとすれば、そろそろニュースが出てくるタイミングだ。「米中首脳会談開催」となれば、相場は無論、好感するだろう。

基本はFOMC待ちで動かない(動けない)相場が週後半まで続くだろう。FOMCの結果が判明するのが日本時間20日の未明で、その日は日銀金融政策決定会合があるので、その結果まで待つとすればほぼ1週間は終わってしまう。

株主総会シーズンとあって自社株買いや配当再投資などで需給はタイトになっている。下値も堅いが上値を追うには材料待ち - そんな1週間になりそうだ。

予想レンジは20,900 - 21,500円とする。