【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 24819.78 △4.74 (6/3)
NASDAQ: 7333.02 ▼120.13 (6/3)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。大幅な下げの後ということもあって押し目買いが入りダウ平均とS&P500株価指数はほぼ横ばいとなりましたが、ナスダック総合株価指数はアルファベット(GOOGL)やフェイスブック(FB)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)の大幅下落を受けて大幅続落となりました。ダウ平均は方向感に欠け一日を通して前日終値を挟んで揉み合う展開になると結局4ドル高の24,819ドルと小幅に反発して取引を終えています。
一方でS&P500株価指数が7ポイント安の2,744ポイントと小幅に続落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も120ポイント安の7,333ポイントと続落となりこちらは1%台後半の大幅な下げとなっています。
2.経済指標等
5月の米ISM製造業景況感指数は52.1と前月から低下し市場予想も下回りました。また、4月の米建設支出も前月比変わらずとなり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、素材が3%を超える上昇となったほか、エネルギーと生活必需品、公益事業も1%以上上げています。一方でコミュニケーション・サービスが3%近く下落したうえ、情報技術と一般消費財・サービスも1%を上回る下げとなっています。
4.個別銘柄動向
グーグルを傘下に持つアルファベットやフェイスブック、アマゾン・ドット・コムが米司法省が反トラスト法違反での調査を準備しているとの報道を受けて大幅安となりました。アルファベットが6%余り下げたほか、フェイスブックが7%以上、アマゾン・ドット・コムも4%以上下げています。また、外食のチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)が米国がメキシコからの輸入品すべてに追加関税を課すことで2019年に1500万ドルのコスト増になるとの見方を示したことで3%近く下げています。
一方で独インフィニオンテクノロジーズが90億ユーロで買収することで合意したと発表した半導体のサイプレスセミコンダクタ(CY)が急伸し24%近く上げました。バイオ製薬のアムジェン(AMGN)も大腸がんの治療薬として開発している新薬の初期の臨床試験の結果が良好だったと発表したことで3%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い2.07%となりました。ドル円は108円近辺での推移となっています。一時は107円台後半まで円高が進む場面もありました。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場でダウ平均が下げ一服となるなか日経平均が昨日までの4日間で850円近くも下げていることから本日の日本市場は小幅に反発してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)