東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は51円高の2万1301円と小幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが東証2部指数や新興市場のマザーズ指数は下落しています。先週末の米国市場で主要指数は下落しましたが、ドル円が110円台まで円安に戻したことや寄り付き前に発表された1-3月期のGDP速報値がマイナス成長予想に反して前期比年率換算+2.1%増だったことも好感されて、日経平均は55円高の2万1305円で寄り付きました。

日経平均は寄り付き後に上げ幅を広げると一時は179円高まで上昇しましたが長続きせずすぐに上げ幅を縮めました。その後は小幅なプラス圏での推移が続き前場を57円高で終えた日経平均は後場に入ると大きな値動きが出ず、結局51円高と寄り付きや前引けと同水準で取引を終えました。

東証1部の売買代金は1兆9846億円と活況の目安とされる2兆円を下回りました。東証33業種は不動産業や水産・農林業、陸運業、その他製品などの21業種が上げました。一方で鉄鋼や電気機器、機械など12業種が下げています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップのソニー(6758)が小幅安となったほか、ZOZO(3092)、村田製作所(6981)、安川電機(6506)、みずほ(8411)、東京エレクトロン(8035)がいずれも下落しました。景気敏感株が売られ、村田製作所と東京エレクトロンは3%台、安川電機は6%近い大幅安となりました。

一方で任天堂(7974)、ファーストリテイリング(9983)、ソフトバンクグループ(9984)、武田薬品(4502)は上昇しました。材料が出たところでは、インドで実施された選挙で与党が勝利する見通しと報じられたことが好感されインド関連銘柄が買われ、スズキ(7269)は5%近い大幅高となりました。

また、4月の既存店売上高が前年同月比1.6%増と堅調だった飲食店チェーンの物語コーポレーション(3097)は2.2%高としっかりでした。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は1日を通してプラス圏で推移するなど概ね堅調な1日でした。個人消費や設備投資がマイナスになるなど中身は良いとは言えなそうながら市場予想に反してプラス成長となったGDP成長率もムードを明るくした面もありそうです。

今週は22日に4月末から実施された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されます。マーケットではFRBが利下げを実施するのではとの思惑が台頭してきており、どのような議論が行われたのか判明する議事要旨に注目が集まっています。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)