【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25764.00  ▼98.68 (5/17)
NASDAQ: 7816.29  ▼81.76 (5/17)

1.概況

先週末の米国市場は米中の貿易交渉への不安が高まる中主要指数は反落しました。中国の国営メディアが中国は米国との貿易交渉に関心がないと報じ、今後の交渉難航が懸念される中でダウ平均は142ドル安と反落して寄り付きました。その後は持ち直しプラス圏に浮上すると前日終値近辺での推移が続いたダウ平均ですが、取引終盤にマイナスに転じると引けにかけても軟調に推移し結局98ドル安の25,764ドルで取引を終えました。ナスダック総合指数も81ポイント安の7,816ポイントと反落しました。

2.経済指標等

5月のミシガン大学消費者信頼感指数は102.4と市場予想を上回って前月から改善しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が下落しました。中でも資本財・サービスとエネルギーが1%を超える下げとなりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均採用の30銘柄のうち22銘柄が下げました。中でも中国依存度の高い銘柄が売られダウ(DOW)が4%を超える下げとなったほか、キャタピラー(CAT)も3%安となっています。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が2%近く上昇したほか、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も1%超上昇しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、証券会社が投資判断と目標株価を引き上げたスポーツ用品のアンダーアーマー(UAA)が8%近く上昇しました。一方で画像共有サイトのピンタレスト(PINS)は発表した2019年の売上高予想が市場予想を下回ったことから失望売りを誘い13%超下落しています。

5.為替・金利等

米長期金利は前日比0.02%高い2.39%となりました。ドル円はやや円安に振れ110円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の米国市場で主要株価指数は下落しましたが、ドル円が円安に振れた好材料もあり日経平均は小動き圏内での取引開始が予想されます。米中貿易交渉への警戒感が高まる中、日経平均が大きく売られずに推移できるかがポイントとなりそうです。なお、寄り付き前の8時50分に1-3月期の日本のGDP速報値が発表されます。市場予想では前期比年率換算0.2%減とマイナス成長が予想されています。市場予想を上回る大きなマイナス幅となれば消費税増税が再度延期されるのではとの観測が強まる可能性もあり注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)