東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国が中国の通信機器最大手ファーウェイに対する米国製ハイテク部品などの事実上の禁輸措置を発動したことで米中貿易摩擦の激化が改めて懸念され反落となりました。日経平均は35円安の21,153円と小幅に下落して寄り付くと下げ幅を広げ節目の21,000円を割り込み10時40分には236円安の20,951円まで売られました。
その後21,000円台を回復し前場を132円安の21,055円で終えた日経平均は後場寄り直後に89円安まで持ち直す場面もありましたが、下げ幅を再び三桁に広げると結局125円安の21,062円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに反落となっています。
2.個別銘柄動向等
昨日に減益決算を発表したメガバンク3行が揃って軟調でした。三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が自社株買いの発表がなかったことへの失望もあって3.6%安となり年初来安値を付けたほか、みずほフィナンシャルグループ(8411)も1.5%安となっています。三井住友フィナンシャルグループ(8316)は自社株買いを発表したこともあって上昇して始まりましたが買いが続かず0.6%安となりました。
また、米国がファーウェイに対する禁輸措置を発動したことでファーウェイのスマホの販売が低迷するとの懸念から電子部品関連が売られました。太陽誘電(6976)が8.0%安となったうえ、村田製作所(6981)が5.2%安、TDK(6762)が6.2%安となりました。イメージセンサーを手掛けるソニー(6758)も1.9%安となっています。
一方でKDDI(9433)が2.3%高と堅調でした。最高益が見込まれる今期予想に加えて、自己株買いや増配を発表したことが好感され年初来高値を付けています。さらにリクルートホールディングス(6098)が国内大手証券による目標株価の引き上げを好感して4.4%高となり年初来高値を更新し、山崎製パン(2212)も外資系証券による投資判断と目標株価の引き上げを受けて2.5%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
昨日に8日ぶりに反発し令和になって初めての上昇をみせた日経平均ですが、本日は反落し昨日の上昇分を吐き出す格好となりました。日経平均は再び一目均衡表の雲を下に抜けなかなか下げ止まる気配がみえません。しかし、日経平均のPERが12倍近辺まで下げ、東証1部の騰落レシオも売られすぎの水準となるなどバリュエーション面とテクニカル面の両方からみて押し目買いが入りやすい水準でもあるともいえます。明日以降の反発に期待したいところです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)