東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に5日続落となりました。日経平均は大型連休明け以降昨日までの3日間で850円以上も下げていたこともあって29円高の21,431円と反発して寄り付くと一旦は上げ幅を広げる展開となりました。10時半に中国市場がオープンし上海総合指数が大きく上昇すると一段高となり11時前には181円高の21,584円まで上昇し前場を143円高で終えました。
しかし、2,000億ドル分の中国製品に対する米国による追加関税の引き上げ期限の13時1分(日本時間)が近づくなか後場は軟調なスタートとなりました。大きく上げ幅を縮め6円高の21,408円で寄り付いた後場は直ぐにマイナスに転じると13時30分過ぎには226円安の21,175円まで売られました。その後日経平均は持ち直し下げ幅を大きく縮めたものの戻し切れず結局57円安の21,344円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに3日続落となっています。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が5.4%安となりました。昨日の引け後に発表した決算で前期の営業利益がソフトバンク・ビジョン・ファンドなどの評価益が寄与し前期比80%増の2兆3539億円となったことなどから上昇して始まりましたが、ソフトバンクグループが筆頭株主で10日にニューヨーク証券取引所に上場する米ライドシェアサービス最大手のウーバーテクノロジーズ(UBER)の公開価格が下限に近い水準に決まったことで含み益が期待したほど伸びないとの見方が出て売られました。
同じく昨日の取引終了後に決算を発表したパナソニック(6752)も今期の営業利益が27%減となる見通しを発表したことで6.5%安となり年初来安値を更新しました。三菱自動車(7211)も20%近い営業減益の業績予想を発表したことで急落し13.8%安となり年初来安値を付けています。
また、東証マザーズ市場では昨日に第3四半期の決算を発表したメルカリ(4385)も営業赤字が60億円と前年同期の19億円から大きく拡大したことが嫌気され5.8%安となっています。
一方で本日の取引時間中に決算を発表した清水建設(1803)が2019年3月期の年間配当を特別配当を含め36円と従来予想の26円から積み増すと発表したことから決算発表直後に一段高となり8.2%高となりました。さらにダイキン工業(6367)も堅調な業績予想を発表したことで2.9%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日は反発する場面もみられた日経平均ですが買いが続かず続落となってしまいました。この結果、日経平均は昨日にサポートとなった75日移動平均線(21,368円)や一目均衡表の雲の上限(21,349円)を小幅ながら割り込んでしまいました。マーケットは週明け以降も米中貿易協議の行方次第でどちらにも大きく動く可能性がありますが、仮に下げ止まらず一目均衡表の雲を下に抜けるような展開になると2番底を探る展開の可能性が高まりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)