【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25965.09 ▼473.39 (5/7)
NASDAQ: 7963.76 ▼159.53 (5/7)
1.概況
米国市場は米中貿易協議の当事者である米通商代表部のライトハイザー代表が2000億ドル分の中国製品に対する制裁関税を10日に10%から25%に引き上げると表明したことで改めて貿易協議の先行きに対する警戒感が高まり大幅続落となりました。ダウ平均は161ドル安でスタートすると一日を通して下げ幅を広げる展開となり取引終盤には650ドル安近くまで売られました。その後引けにかけて下げ幅を縮めたものの結局ダウ平均は473ドル安の25,965ドルとなり節目の26,000ドルを割り込んで取引を終えています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も159ポイント安の7,963ポイントとなりこちらも節目の8,000ポイントを割り込んでいます。
2.経済指標等
3月の米消費者信用残高は102億8000万ドル増となったものの市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも情報技術と資本財・サービスが2%以上下落したほか、ヘルスケアと素材、不動産も2%近く下げています
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでも米中の貿易協議の先行きに対する警戒感が改めて高まるなか投資判断と目標株価の引き下げもあってボーイング(BA)が4%近く下げたほか、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も3%以上下落しました。また、アップル(AAPL)とホームデポ(HD)、キャタピラー(CAT)、スリーエム(MMM)、シスコシステムズ(CSCO)、マイクロソフト(MSFT)も2%を上回る下落となっています。
ダウ平均構成銘柄以外でも、米中の貿易協議の先行きに対する警戒感が高まったことを受けて半導体関連株が売られマイクロン・テクノロジー(MU)が4%以上下げ、画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も4%近く下落しました。また、後発薬大手のマイラン(MYL)は決算で売上高が市場予想を下回ったことで急落し24%近く下げました。一方で保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が決算で1株利益が市場予想を上回ったことなどで7%近く上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い2.45%となりました。ドル円ではさらに円高が進み110円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は昨日にサポートとなった200日移動平均線(昨日時点で21,885円)を割り込みそうですが、朝方の売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。また、本日は取引時間中の13時10分にトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目を集めそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)