【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26656.39  △145.34 (4/23)
NASDAQ: 8120.82  △105.56 (4/23)

1.概況

米国市場は米主要企業の決算発表が本格化するなか市場予想を上回る好決算が相次いだことで上昇し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。2ドル高とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は昼過ぎに184ドル高まで上昇した後上げ幅をやや縮めましたがその後も堅調に推移すると結局145ドル高の26,656ドルと反発して取引を終えています。

また、S&P500株価指数も25ポイント高の2,933ポイントと3日続伸となり、昨年の9月20日に付けた史上最高値(2,930ポイント)をおよそ7カ月ぶりに更新しました。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も105ポイント高の8,120ポイントとこちらも3日続伸となり、昨年の8月30日に付けた史上最高値(8,109ポイント)をおよそ8カ月ぶりに更新しています。

2.経済指標等

3月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比4.5%増の69万2000戸となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品を除く10業種が上げました。そのなかでもヘルスケアと一般消費財・サービス、情報技術、不動産が1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことに加え、通期の利益見通しを上方修正したことから2%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、コカ・コーラ(KO)も決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで2%近く上げ、ダウ平均構成銘柄でユナイテッド・テクノロジーズに次ぐ上昇率となっています。さらにツイッター(TWTR)も決算が市場予想を上回る増収増益となったことから急伸し15%を超える上昇となっています。

百貨店のコールズ(KSS)は消費者がアマゾン・ドット・コム(AMZN)で買った製品の返品を全店舗で受け付けると発表したことでアマゾン・ドット・コムとの連携強化が業績にプラスに働くとの期待から買いを集め12%近く上げています。

なお、4%近い上昇となった写真・動画共有アプリのスナップチャットを運営するスナップ(SNAP)は取引終了後に発表した決算で売上高が市場予想を上回ったうえ、利用者数も市場予想を上回ったことなどから時間外で一段高となっています。

一方でプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が3%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。決算で売上高と1株利益は市場予想を上回りましたが、通期の1株利益の見通しが市場予想に届かなかったことで売られました。ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も決算で携帯電話の契約者数の伸びが大幅に鈍ったことを嫌気した売りで2%余り下げ、ダウ平均構成銘柄でプロクター・アンド・ギャンブルに次ぐ下落率となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い2.56%となりました。ドル円は111円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が今月17日に付けた年初来高値(22,277円)を上回ってどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)