【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26452.66  △67.89 (4/16)
NASDAQ: 8000.23  △24.21 (4/16)

1.概況

米国市場は良好な企業業績を好感して反発しました。ダウ平均は97ドル高でスタートすると145ドル高まで上昇しましたが、上げ幅を縮めると昼前には12ドル高まで弱含みました。取引終盤に再び上げ幅を広げる展開となったダウ平均は90ドル高近くまで買われた後午前中の安値近辺まで急速に上げ幅を縮める場面もありましたが、引けにかけて持ち直し結局67ドル高の26,452ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も24ポイント高の8,000ポイントとなり、節目の8,000ポイントを昨年の10月3日以来およそ半年ぶりに回復しています。

2.経済指標等

3月の米鉱工業生産指数は前月比0.1%低下し上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。設備稼働率も78.8%となり市場予想を下回っています。また、4月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は63となり市場予想と一致しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融やエネルギー、資本財・サービスなどの7業種が上げ、金融は1%を超える上昇となりました。一方で4業種が下げ、不動産とヘルスケアが2%以上下落したほか、公益事業も1%を上回る下げとなりました。

4.個別銘柄動向

米連邦航空局が墜落事故を起こした737MAXのソフトウエアの修正についてパイロットが追加の訓練を受ければ運航は適切との見方を示したことでボーイング(BA)が2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったうえ、通期の売上高の見通しを上方修正したことで1%余り上昇しています。また、半導体のクアルコム(QCOM)がスマホ向け通信半導体の特許使用料を巡る訴訟でアップル(AAPL)と和解したと発表したことで急伸し23%以上上げたほか決算で1株利益が市場予想を上回った資産運用大手のブラックロック(BLK)も3%以上上げています。動画配信大手のネットフリックス(NFLX)は投資判断の引き上げを受けて3%高となりましたが、取引終了後に発表した決算で4-6月期の見通しが市場予想を下回ったことから時間外取引で下げています。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)は経営トップが決算説明会で民主党のサンダース上院議員が導入を唱えている国民皆保険制度の業績への悪影響を強調したことが嫌気され4%安となりました。ユナイテッドヘルス・グループはダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で60ドル余り押し下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い2.59%となりました。ドル円は112円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けてやや買い優勢でのスタートが予想されます。連日で年初来高値を更新している日経平均が利益確定の売りが出やすいなかでどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)