前回のコラム「ユーロ/米ドルは大事な分岐点」でユーロ/米ドルは大事な分岐点にあり3月7日安値、4月2日の二番底からの変動によっては大底の可能性を考えてよいとしました。

【図表1】ユーロ/米ドル(日足)
出所:筆者作成

受動的に下げる転換線を上抜けば、少なくとも基準線まで上昇あってよいという程度のことしか述べられない相場位置でありました。だが、実際の変動は4月12日基準線までの上昇後動かずという状況です。

4月2日安値から日足転換線まで5日、日足転換線から4月12日まで5日、9日間の上昇でありますが反動安を演じなかったとはいえ、あまり上昇力ありとは言えません。

4月12日高値1.13234はほぼ基準線に頭を押さえられていますが、この水準は2018年8月15日安値1.13009に見合うものであり、重要変化日であった3月25日水準でもあるのです。

3月25日は9月24日から130日目、2018年2月16日を起点とすれば129日、29日、130日、戻り天井3月27日を起点としても130日、130日の三波動構成変化日となります。ですから、本来3月25日の基準線割れは下げ方自体非常に悪いものなのであります。

結果的に4月2日が3月安値割れとならず、4月2日の時間関係そのものを重視(2018年高値まで293日の上昇に対し高値から292日目)し、また4月2日週が9週足9陰連目であったことを重視しました。しかし、先週終値では9週足がわずかながら好転できず、10陰連になってしまいました。

従って底値圏であるとの認識はあってよいものの、3月7日安値大底には疑問が残る先週の上昇であったとの結論となります。

ユーロ/米ドル2018年2月高値からの変動で重視すべきは次の2点。

1.9月24日高値までを第二波動とする、下げ三波動の最大時間が5月1日に経過してくること
2.底値モミの水準を2018年5月29日、8月15日と置き、重要変化日での反応をヒントとすること

1に関しては、大雑把に5月1日からの下落は他の下げ三波動を強調するものになるとご理解ください(次回述べます)。

今回は2について説明します。

2018年5月29日起点のモミアイ相場

5月29日V計算値は1.11690。2019年3月7日安値1.11760はこれを割り込んでいませんから、モミアイ相場の範疇にあるということができます。

下落時間がモミアイ時間の大事な節目として働きます。つまり、3月7日に至る下落時間、232日、247日、274日が重要となりますが、2018年5月29日から232日目が4月18日、247日目が5月9日となります。

いずれの変化日も安値決まりとなれば何らかのヒントを示唆することになります。

2018年8月15日V計算値は1.07870、月足実線に対する先行スパン下限の一番安い値段が1.09733ですから、この計算値を出してしまうようなら底値モミというより下げが明確化してしまうものと言えます。

2018年2月高値から8月安値まで129日の下落に対して8月15日から129日目は11月23日に経過していますが、この値段は8月15日終値水準、今現在の相場位置と同水準でありまして、水準自体はやはり重視せざるを得ないものがあります。

三波動構成変化日5月1日は2018年8月15日からのモミアイ相場からの観点からも重要変化日となります。

【図表2】ユーロ/米ドル(日足)
出所:筆者作成

4月26日を重視

3月7日安値は時間的にはあまり適切なものとは言えず、9月24日から1月10日までを波動とすれば4月27日まで時間が残っている状態です。

また3月7日から4月2日まで19日が目先の上げ三波動(中間波動であったとしても)の節目となりますが、4月2日から19日目は4月26日、4月27日と一日違い、一巡(76)の一日違いであります。

目先の転換線割れは変化日までの下落に直結しますが、基準線を超えられるようなら4月26日までの上昇は考えてよく、また3月7日底値の確からしさが増すものとなります。

基準線越えは9週足陽転を確実なものとするからでありますが、上昇あっても中間波動の範疇を容易に超えることはありません。

 

米ドル/円については次回改めて述べます。

4月16日は大事な変化日でありまして、3月高値を上抜いたものの上昇力を出さないことは問題視して良いでしょう。転換線割れは大いに警戒すべきであります。