長らく低迷を続けてきたユーロ/米ドル相場となりますが、3月末、4月初めに大事な時間経過がありました。一応の底打ちの可能性を考えてよい位置につけてきましたので、今回はユーロ/米ドルからコメントします。
図1-1と図1-2はユーロ/米ドル日足均衡表です。2017年1月3日安値から2018年2月16日まで293日間(図表1-1)の上昇に対する、2018年2月16日から293日(図表1-2)の時間経過は4月3日に為されておりまして、1日違いの4月2日が3月7日以来の二番底となっています。
また3月7日安値位置は必ずしも時間関係が適切ではないものの、長期的に2015年1月安値からのモミアイ相場ととらえれば51ヶ月目の基本数値で同水準、安値決まりの可能性を考えてよいものになっています。
もちろんユーロ/米ドルの月足均衡表では4月実線に対する先行スパン下限1.09377があり、図表上では下値余地を残すものとなっています。しかし均衡表の悪化(転換線が基準線を下回る)を見せているにもかかわらず、下げ幅が出ていないということは2線が交わる1.15近辺を相場水準とするモミアイ相場の範疇にとどまっていることを示唆するものとなります。
次回少し細かくこのような局面での判断の仕方をご説明しますが、4月2日からの変動において重視すべきは次のとおりであります。
4月2日からの上昇では必ず受動的に下げる日足転換線との反応を試されます。従って、続落がない場合はまず転換線を上抜けるかどうかが問題となります。
転換線を上抜くようなら少なくとも3月安値からの上げ三波動構成の時間分の上昇、もしくは転換線を中心とする上昇値幅、上昇時間は考えてよいことになります(下げ三波動の重要変化日を無視すれば)。
上昇局面で目先見当がつくのはこの程度でありまして、次回述べますがこの相場は直近の大事な局面で繰り返し下げを演じてきているからであります。
それにもかかわらず極端な悪化となっていないのは、要するにモミアイ相場であり上昇相場が直ちに始まる位置でもないということになります。4月2日から安値を更新し受動的に下げる転換線に頭を押さえられて下げた場合について、ご説明しておきましょう。
長期的には2018年8月15日から9月24日までを第二波動とする下げ三波動を考えることになります。
9月24日から157日目4月30日で最大時間が経過しますが、これは2018年9月高値からの下げ三波動構成変化日と一日違いの変化日であります。
従って下げる局面では(ここでは複雑化するので計算値は無視しますが)4月末までの下落はほぼ確定的にみてよいということになるでしょう。
以上、大雑把にユーロ/米ドルについてコメントしましたが、米ドル/円と同様、長期変遷上の確認は必ずしておかねばなりません。
追々コメントしたいと思いますが、ユーロ/米ドル相場の3月7日安値と4月2日の二番底には大底を考えてよいだけの位置にはつけてきています。もっとも今後の相場がそれを否定する可能性もありますが、大きな時間経過には売買に直結するもろもろのヒントが含まれていることよくご自覚ください。
さて米ドル/円相場ですが4月10日、16日重視は変わりありません。
しかしなら4月5日から続伸できなかったことで週足先行スパンを再び割り込む結果となっています。
9週足は今週7陽連目、4月10日、16日から上昇とならなければ9陽連で陰転する可能性は高くなっています。
日足週足ともに好転状態で上値を阻むものがないにもかかわらず出られないということは、結局は月足変遷と1月3日安値がネックになっているということであるのでしょう。
次回は改めて米ドル/円解説に戻ります。
ユーロ/米ドルは大底の可能性ありますが、すぐに上昇出発の相場ではありませんので少しずつ長期変遷の確認をしていきましょう。