英ポンド/米ドル (1.26800〜1.34800) 3月22日〜3月28日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは! 今週に入りポンドは英国の欧州連合(EU)離脱延長期間がどれくらいかを巡って下落しています。1年延期の可能性が出た際にポンドは急騰したものの、その後は下落に転じています。

メイ首相は20日、EUのトゥスク大統領に対し、離脱期限を3月29日から6月30日まで延期することを書面で正式に要請しました。閣内にはより長期の延期を求める声もあったようですが、この日の下院演説で「首相としてこれ以上の延期には応じない」と明言しました。

長期延期を余儀なくされた場合、辞任も辞さない覚悟を示したメイ首相に対し、トゥスク大統領は、EU離脱協定が英下院で承認されることを条件に短期の延期に応じる方針です。
メイ首相は同大統領への書簡で、EU離脱協定の承認を求める政府動議を下院にできるだけ早急に提出する方針を示しました。

その上で、これが承認された場合、離脱協定の批准に一定の時間がかかるとして、6月30日までの離脱延期を申し入れました。また、下院のバーコウ議長が先に同じ内容での再採決は認めない方針を示したことから「欧州委員会のユンケル委員長と合意した補足書類を欧州理事会で承認してほしい」とメイ首相が要請しました。

これに対し、トゥスク大統領は記者会見で「短期延期は可能だが、それは離脱協定が英下院で承認されることが条件となる」と述べています。その場合の延長期間については21日のEU首脳会議(サミット)で協議する方針です。同協定が英下院で承認されれば、来週に臨時サミットを召集し、離脱の短期延期を正式に承認する流れとなります。

他方、アメリカでは21日未明のFOMCでの内容に市場の注目が集まりました。今回のFOMCではハト派の発言が出るのか、タカ派の発言となるかが焦点でしたが、結果はハト派の内容。年内の利上げはなく、来年に行った場合も1回に留まるとし、今後、実質的な利上げは行われない見方が強まったことで、ドル全面安の動きとなりました。

また、2017年第4四半期から始まったバランスシート縮小も2019年の9月に終了と発表されました。

今後はFF(フェデラルファウンド)レートの誘導目標にも注意したいと思います。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。月足はトレンドレスを維持しており、MA、ミドルライン付近まで上昇したのち、一旦抑えられています。方向感がない状況が2ヶ月続いています。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス上段から中段に移行中。一旦+2σを越えましたが、上ヒゲとなり下落。中段に向かっています。週足も方向がないと言えます。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。MA14,ミドルラインを上から下に抜けた場面となり、通常であればこのまま一旦−2σまで下落すると想定します。

向こう1週間の重要指標です。

22日(金)
8:30 日・全国消費者物価指数

28日(木)
21:30 米・GDP確定値数

以上の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。
予想レンジ:1.26800〜1.34800

メインストラテジー:

<日足をベースシナリオとして>
買いをするなら
・1.2980〜1.3000の日足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー
・1.2870〜1.2890の週足サポートライン+日足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー
・1.26800付近の週足サポートライン逆張りを根拠にエントリー
・1.33000を上にブレイクしてアップトレンドになれば、短期足を使って押し目でエントリー

売りをするなら
・1.33000〜1.33500付近で週足・日足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー
・1.34800付近日足トレンド転換を根拠にエントリー

※英国EU離脱時期の延長が3ヶ月と決定するかもしくはハードブレグジットとなれば、ポンド売り方向。3ヶ月以上の長期延長になればポンド高方向に行きやすいと想定します。