英ポンド/米ドル (1.2770〜1.3350) 3月7日〜3月13日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは! 英国はEU離脱へ向けたEUとの交渉に難航しているようです。欧州委員会は5日にアイルランド国境問題のバックストップへの更なる提案を英国側に行いましたが、合意に至っていないとの報告が報道官より発表されました。

EU側はバックストップが一時的な措置ということについての追加保証を提案。協議は建設的な状況で行われているものの難航していると表現されており、アイルランド国境問題を含め離脱合意に沿った解決策を特定できていないと説明しています。その上で、更なる実務的な協議を今週は継続していくとも語られています。

離脱期限は29日。EUは21〜22日の首脳会議で交渉期間を延長するかどうかを決断するとのこと。

延期は2019年の6月末とされており、英国側もEU側も3ヶ月の延長は妥当なところと見ています。

少なくとも21日までは英国とEUの交渉が続く模様で、ポジティブなニュースが出ればポンド買い、ネガティブな材料には売り反応で、いずれも限定的と想定され、方向感に乏しい動きとなりそうです。

他方、経済協力開発機構(OECD)は6日発表した世界経済見通しの中で、ユーロ圏の今年の域内総生産(GDP)が前年比1%拡大するとの見通しを示しました。2018年11月の前回予測から0.8ポイント下方修正した形で、2020年についても0.4ポイント引き下げ1.2%としています。英国のEU離脱を巡る不透明感や貿易摩擦が影を落とした格好です。

ユーロ圏外では、英国の2019年のGDP成長率の見通しを0.6ポイント、2020年は0.2ポイント引き下げ、それぞれ0.8%、0.9%を見込んでいます。依然として力強い労働市場が家計消費を支えるものの、ブレグジットを巡る不透明感が続いていることやユーロ圏の成長鈍化が、景況感や投資、輸出見通しの足かせとなっていると結論付けました。

イタリアは、2019年は1.1ポイント下方修正されてマイナス0.2%となるものの、2020年は0.5%のプラス成長を回復すると予想しています。

フランスについては2019年と2020年が共に1.3%と、それぞれ0.3ポイント、0.2ポイント下方修正しました。

世界全体については、2019年の成長率を3.3%、2020年を3.4%とし、前回予想からいずれも引き下げました。

政治的不透明感や貿易摩擦の高まり、企業景況感と消費者信頼感の低下傾向により、勢いを失っているとの見方を示しています。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。月足はトレンドレスを維持しており、MA、ミドルライン付近まで上昇したのち、一旦抑えられています。方向感がない状況です。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス上段。一旦+2σを越えましたが、上ヒゲとなり、少し下げています。
上値が多少重い見通しです。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

トレンドレスもしくはアップトレンドMA反発2波スタート場面のいずれかになります。短期的にはブレイクしてアップトレンド発生となりましたが、5日間陰線となり、現在は1.3180付近の1月後半の高値より若干下げてきております。

向こう1週間の重要指標です。

7日(木)
19:00 EUR・GDP確定値
21:45 EUR・ECB政策金利
22:30 EUR・ドラギECB総裁定例記者会見、

8日(金)
8:50 日・GDP改定値、
22:30 米・雇用統計

12日(火)
18:30 英・GDP
21:30 米・消費者物価指数

以上の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。

予想レンジ:1.2770〜1.3350

メインストラテジー:

<日足をベースシナリオとして>
買いをするなら、
・1.3080〜1.3110付近の4時間足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー
・1.2770〜1.2800の日足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー

売りをするなら、
・1.3310〜1.3350付近で日足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー