少ない資金で取引ができるレバレッジ
FX取引の魅力は、外国通貨を「少額資金」から取引できることです。今日は少額資金で大きな金額の取引ができる「レバレッジ」についてご説明します。
金利がほぼない日本円での預金より、金利の高い米ドルは魅力がありますね。ということで、仮に皆さんが「米ドルを買う」としましょう。
わかりやすいように、買う時の米ドル/円相場のレートを1ドル=100円とします。
外貨預金では1万ドルの米ドルを買う場合、100円×1万ドル分=100万円が必要です。
FX取引では同じ1万ドルを買う場合、100万円も必要ありません。マネックス証券のFX PLUSでは、現在最少4万円で、同額の100万円の取引ができます。取引に使用するこの4万円のことを「証拠金」と呼びます。FX取引の日本語は「外国為替証拠金取引」でしたね。
少額資金(証拠金4万円)で100万円分(大きな金額)の取引が可能になるこの仕組みがレバレッジです。預け入れている資金を担保にして、その何倍もの取引ができるということを意味し、以下の計算によって求められます。
「取引金額 ÷ 証拠金(口座準備資金) = レバレッジ」
◆証拠金100万円の場合
取引金額100万円 ÷ 証拠金100万円 =1倍
(※1ドル100円×1万ドル分)
◆証拠金10万円の場合
取引金額100万円 ÷ 10万円 = 10倍
◆証拠金 30万円の場合
取引金額100万円 ÷ 30万円 = 3.3倍
口座に準備した証拠金総額に対して、実際の取引金額がどのくらいの比率になっているのかの数値がレバレッジの高さを表しています。
先の例の証拠金4万円で100万円分の取引を行うというのはレバレッジの最大25倍を利用するという取引になります。
レバレッジをかければ、手元の資金(証拠金)の何倍もの金額を取引できるのです。
レバレッジの高低は口座に準備する証拠金と、実際の取引に使う金額でコントロールすることが可能です。
少ない資金で利益を追求できるのが魅力
FX取引は、2ヶ国の通貨の相対的な取引です。米ドル/円相場なら米ドルと日本円の力関係を取引するわけですが、どちらか一方の通貨の価値がゼロになったり、短期間に10倍になったりすることはありません。そのため、レバレッジ比率を高めることで利益を追求しようというのがFX取引の大きな魅力なのです。
米ドル/円相場のレートを1ドル=100円として、1万ドル分=100万円の取引をした場合、普通に外貨投資をすると、1万ドルを購入するために100万円必要です。米ドル/円相場が1円上がれば、100万円の資金で1万円の為替差益を得られます。
それに対し、レバレッジ10倍でFX取引をした場合、10万円の証拠金で1万ドルを購入できます。もし、米ドル/円相場が1円上がれば、10万円の資金で1万円の為替差益を得られるのです(※)。
ハイレバレッジのリスクは大きい
では、値動きに関するリスクは外貨預金もFX取引も変わらないのに、なぜレバレッジ取引のリスクが大きいとされているのでしょうか!?
例えば、1万ドルの米ドルを買う際、口座に10万円あればレバレッジ10倍となります。
この場合、米ドル/円相場が10円下落すると10万円の為替差損が発生し、口座の資金がなくなってしまいます(※)。これはリスクが大きいですね。「ハイレバレッジ」でリスクが大きい状態の取引です。
実際の取引に使用する金額は「証拠金」と言って少額ですが、口座準備資金が少額で且つ高いレバレッジを利用した取引の場合、思惑と逆方向に動くと、あっという間に資金を失ってしまう可能性があります。
ちなみに、口座に100万円を用意してあればレバレッジは1倍です。1倍ですからレバレッジはかかっていません。仮に米ドル/円相場が大暴落して10円下がっても、100万円の資金に対しての10万円の損失なら余裕がありますね。FX取引の入門者・初心者の方はまずは低いレバレッジから始めるのがよいでしょう。大きく利益を狙わない代わりに、大きく損もしないようにするのです。
実際、レバレッジ1倍で外貨預金と同じような感覚でFX取引をしている方もいらっしゃいます。
いずれにしても、証拠金は余裕をもってFX取引をしましょう。
(※)取引例の計算には、スワップポイント等は考慮していません。