英ポンド/米ドル (1.2540~1.3300) 2月21日~2月27日まで
アナリシス:
皆さん、こんにちは! 今週に入り、英労働党の議員が7人離党し、独立グループを結成したことがにわかに話題になっています。
こうした動きは来週の下院投票に影響を与える可能性もあり、注目を集めているようです。離党した議員は当初7名でしたが、賛同する議員が増えてきています。
「独立グループ」を18日に立ち上げたのは、2度目の国民投票実施を求める下院の超党派議員グループを率いるチュカ・ウムナ議員。コービン党首の国家安全保障やブレグジットを巡る方針を強く批判するとともに、イデオロギーに基づかない独自の政策方針を打ち出し、各党議員に参加を呼びかけていました。
同グループに加わった無所属議員は20日時点で11人。既に下院(定数650)での議席数は自由民主党と並びます。保守党は3人の離党により、閣外協力を得ている北アイルランドの民主統一党(DUP)と合わせると324議席を確保している状況となります。現時点では2党を除く計318議席を上回っているものの、今後も保守党と労働党離党者の同グループへの流入が相次ぐ可能性も指摘されています。
独立グループには保守党から離党した議員、および労働党から離党した議員とメンバーは混在しています。
保守党から参加したのはアンナ・スブリー議員、サラ・ウォラストン議員、ハイディ・アレン議員。いずれも欧州連合(EU)残留派で、党首であるメイ首相に宛てた共同書簡で離党を表明しました。ブレグジットを巡る政府の対応のまずさを批判した上で、「右派で反EUの強硬派が幅を利かせ、過去40年にわたり全てのリーダーをつぶし、党を牛耳っている。彼らが保守党になっている」と非難しています。
他方、40年ほど所属した労働党を離党したジョアン・ライアン議員は、コービン党首と彼を取り巻く「スターリン主義の徒党」が危機的事態にある英国で、真の野党勢力としての役割を果たしていないと批判。また党の反ユダヤ主義対策への強い不満も表明しました。
これらの独立グループの動きにより、EU離脱に関する問題の行方が不透明となっています。
また、今朝未明のFOMCでは、債券など4兆ドル(約440兆円)規模の保有資産縮小を年内に終了する計画を近く発表することが明らかになりました。
FRBは、12月に利上げをしたものの、米国の経済成長へのリスクの高まりを鑑みて、より正確に先行きが判断できるようになるまでは利上げの停止を示唆することで合意しています。利上げは一時的な停止ではなく、終了との見方が市場では多く、これにより米国S&Pは年初来の高値を付けました。またダウ工業株30も上げ幅拡大となっています。
利上げ停止によって株価は堅調。2018年12月以来行われていない、米国FF金利の引き下げの可能性も出てきています。
とはいえ株価は上昇しても、通貨でみると、私はドル高になるとは限らないと考えております。
ドルは諸外国の通貨に対して今後弱まる見込みもありますので、長期足目線では、ドル売りのポジションも検討したいところです。
それでは、月足チャートです。
トレンドレス中段。月足はトレンドレスを維持し、MA、ミドルライン付近まで上昇したのち、一旦抑えられています。方向感がない状況です。
続いて、週足チャートです。
トレンドレス中段。MA、ミドルで支えられ、再度上段へ移行している場面。
上昇するなら+2σまでは十分いけると予測します。また下落するなら最大−2σまでは可能性が高いとみます。
最後に、日足チャートです。
トレンドレス中段。月足、週足とともに方向感のないトレンドレス相場となっています。
日足ベースのレジスタンスラインは、1.3200付近。サポートラインは1.2770付近となります。
向こう1週間の重要指標です。
22日(金)
8:30 日・全国消費者物価指数、独・GDP改定値
19:00 EUR・消費者物価指数改定値
27日(水)
0:00 米・新築住宅販売件数
以上の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。
予想レンジ:1.2540~1.3300
メインストラテジー:
<日足をベースシナリオとして>
買いをするなら、
・1.2760~1.2780付近の日足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー
・1.3200のレジスタンスラインを上にブレイクしたら短期足を使って押し目で順張りエントリー
売りをするなら、
・1.3200付近で日足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー
・1.2700のサポートラインを下にブレイクしたら短期足を使って戻り目で順張りエントリー
<週足をベースシナリオとして>
買いをするなら、
・1.2580付近の週足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー
売りをするなら、
・1.3230~1.3250の週足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー