日経平均は2万1000円の大台を前に跳ね返され、一目均衡表の雲の上に浮上するチャンスも逸した。先週金曜日は下放れた陰線で終わり、25日移動平均に頭を抑えられたような、非常に悪い形のチャートとなった。市場のムードは再び弱気に傾いている。今週は2万円の大台割れ回避が焦点となろう。
今の日本株は、米国株が上がっても連れ高できないが、米国株が下がれば連れ安するという、どうしようもない相場になっている。よって、まずは米国株に持ち直してもらうことが鍵だが、15日に迫る暫定予算の期限を控えて与野党で歩み寄れるかがまず関門だ。うまくいけば米国株高・ドル高の流れになって日本株の追い風だが、再び政府機関閉鎖だとその反対であろう。
重要イベントは、北京で14~15日に開かれる米中の閣僚級貿易協議。そのニュースフローで相場が動く。トランプ米大統領は、中国との通商協議の期限である3月1日までに習近平国家主席と会談する計画はないと述べているが、これが覆るかどうか。争点である知的財産権の問題で両国の間に依然隔たりがある現段階で習主席との会談に応じるのは時期尚早という。ということは、知的財産権の分野で相応の進展(すなわち中国側の譲歩)があれば、トランプ氏は会談に応じるだろう。27~28日に北朝鮮の金正恩委員長との会談をベトナムのハノイで行うとしているので、その前後で米中首脳会談が急遽組まれる可能性を見ておきたい。
国内では14日に2018年10~12月期のGDP速報値の発表がある。7~9月期は自然災害などでマイナス成長に落ち込んだが、2期ぶりのプラス成長に戻る見通し。市場の予想は前期比0.4%増、年率換算で1.5%増である。
今週の予想レンジは2万円‐2万1000円とする。