英ポンド/米ドル(1.2580〜1.3250) 2月7日~2月13日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは!今週は各通貨とも動きづらい相場となっています。6日の日中に、米トランプ大統領の一般教書演説がありましたが、特段ドル買いに動く発言はなく、ダウも失速となり、米ドル/円も一時109.60円台まで落ちました。その後、持ち直して、本日の朝も110円台まで上昇しましたが、パウエルFRB議長の発言を受けて、再度失速。110円台の壁が厚いように感じます。

他方、英国の欧州連合(EU)離脱協定案もEU側との交渉が難航している模様。

5日、メイ首相は北アイルランドを訪れ、EU離脱後にアイルランドとの間の厳格な国境管理を避ける方法を見い出すと約束しました。6日まで滞在して現地の企業や政党の指導者と会談し、EU離脱協定への支持を求める方針です。

下院で与党・保守党に閣外協力する北アイルランド・民主統一党(DUP)のフォスター党首は、離脱協定に含まれる「バックストップ(安全策)」について、「アイルランドとの間の厳格な国境管理を避ける一方で、北アイルランドと英国本土との間に国境を生み出すことになり、英憲法に反する」となお反発しています。

また、北アイルランドの保守穏健派・アルスター統一党(UUP)の元党首で、北アイルランド紛争の終結と和平実現に向けたベルファスト合意の実現に貢献したデビッド・トリンブル氏は、「バックストップ」を含む離脱協定は違法として政府を提訴することを検討しています。

下院が先に「バックストップ」を別の措置に置き換える修正案を可決したことを受け、メイ首相は保守党の下院議員から成る作業部会を設置して代替措置を探っています。しかしながらEUのバルニエ首席交渉官は、「離脱協定の再交渉は行わないことでEUは完全に一致している」と公言しています。

6日には最大野党である労働党のコービン党首がメイ首相と会談し、離脱案に関する5つの要求を提示。この中には 1.英国全体を含む恒久的かつ包括的な関税同盟を締結すること、2.単一市場との緊密な連携を行うこと、3.将来の安全保障の枠組みに関する明確な合意があること、4.EUの公的機関や資金プログラムへの英国の参加の確約などが盛り込まれています。

7日、メイ首相はEU首脳らとブリュッセルで面会を予定。アイルランド国境問題について法的拘束力のある修正案で受理がなされなかった場合、合意なき離脱の可能性が強まると伝えるものと思われます。

また21時には、BOEの政策金利が発表され、21時30分からはカーニー総裁の会見も控えているため、日中から夕方のポンドの動きは鈍く、21時の発表後に一方向に動くかどうかの注意が必要と考えます。

向こう1週間の重要指標です。

7日(木)
21:00 英・BOE金利発表、BOE資産買取プログラム規模、MPC議事要旨

11日(月)
18:30 英・GDP速報値

13日(水)
22:30 米・消費者物価指数 

 

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。月足はトレンドレスを維持しており、MA、ミドルライン付近まで上昇したのち、一旦抑えられて下落しています。方向感がない状況です。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。上段まで上昇したのち、下げてきているので、このまま、MA、ミドルを下に抜けて再度トレンドレス下段の1.25800付近まで下落する可能性もあります。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

短期的には上昇トレンドでしたが、ミドルラインを一昨日下に割ってきましたので、トレンドレス中段と認識します。このまま−2σまで下落するか1.2860〜70近辺で下げ止まるかの場面となります。
上昇するとしたら、MA付近までは十分に上昇できます。

以上の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。

予想レンジ:1.2580~1.3250

メインストラテジー:

買いをするなら、
・1.2760~1.2780付近の日足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー
・1.2580付近の週足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー

売りをするなら、
・1.3100付近まで日足+2σが垂れ下がってきたら、日足トレンドレス上段とダブルトップを根拠にエントリー
・1.3230~1.3250の週足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー