東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は53円高の2万719円と小幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も上昇しましたが、新興市場のマザーズ指数は1.2%安となっています。
米中の貿易交渉の進展期待から先週末の米国市場でダウ平均が300ドルを超える上昇となったことを受け、日経平均は182円高の2万848円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を広げると一時は226円高まで上昇しましたが10時過ぎに「米国と中国の間で知的財産権問題について交渉が進展していない」と報じられると急速に上げ幅を縮めて一時は20円高をつけました。
その後やや盛り返し前場を92円高で終えた日経平均は後場に入ると狭い値幅でのもみ合い推移となりました。一時は12円高まで上げ幅を縮めた日経平均ですが結局53円高で取引を終えました。東証1部の売買代金上位銘柄は1兆9432億円と2兆円割れの低水準となりました。
東証33業種は石油石炭製品、鉱業、海運業、鉄鋼など景気敏感セクターを中心とした28業種が上昇しました。一方で空運業、サービス業、陸運業、情報・通信業、電気・ガス業の5業種が下げています。なお11時に発表された中国の10-12月期のGDP成長率は前年同期比6.4%増と市場予想と一致しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)やファーストリテイリング(9983)は小幅に下げましたが、武田薬品(4502)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、日本電産(6594)、東京エレクトロン(8035)がいずれも上昇しました。
材料が出たところでは、ジーンズの製造や販売を手がけるリーバイ・ストラウスジャパン(9836)は10%近い大幅安となりました。前期決算は増収増益で着地しましたが9-11月が前年同期比で大幅な営業減益となったことに加え、今期予想も前期比で営業減益としたことが嫌気されました。一方で再生細胞薬開発会社のサンバイオ(4592)が6%超の大幅高となり連日で上場来高値を更新しました。同社が独自開発している薬剤の新規適応症に「慢性期脳出血プログラム」を追加すると発表したことが材料視されました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は続伸しましたが米中の貿易交渉にネガティブな報道が出ると大きく上げ幅を縮めるなど、引き続きマーケットがこの問題に敏感になっていることがわかる1日でした。今週も引き続き貿易交渉関連の報道に一喜一憂する展開が予想されます。なお、本日の米国市場はマーティン・ルーサー・キング・デーの祝日のため休場です。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)