【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 23909.84 ▼86.11 (1/14)
NASDAQ: 6905.92 ▼65.56 (1/14)
1.概況
先週末の米国市場は利益確定の売りに押され6日ぶりに小幅反落となりました。前日までの5日続伸で1,300ドル以上上昇していたこともあって利益確定の売りが出て取引開始後まもなくして200ドル安余りまで売られたダウ平均は徐々に下げ幅を縮める展開となりましたが、結局戻し切れず5ドル安23,995ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も14ポイント安の6,971ポイントとなりました。昨日の米国市場は中国の冴えない貿易統計を嫌気して続落となりました。取引開始直後に230ドル安まで売られたダウ平均はその後下げ幅を縮める展開となり取引終盤に30ドル安余りまで持ち直す場面もみられましたが、引けにかけてやや下げ幅を広げると結局86ドル安の23,909ドルで取引を終えています。また、ナスダック総合株価指数も65ポイント安の6,905ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週末に発表された12月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.9%上昇となり市場予想と一致しました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年同月比2.2%上昇しこちらも市場予想と一致しています。
3.業種別動向
先週末の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや公益事業などの7業種が下落しました。一方でヘルスケアや生活必需品などの4業種が上げています。昨日の米国市場で業種別S&P500株価指数は金融を除く10業種が下げました。そのなかでも公益事業が2%以上下落したほか、ヘルスケアも1%を超える下げとなりました。また、情報技術も1%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
先週末の米国市場では2018年12月期の1株利益が従来予想を上回り、2019年12月期の1株利益が市場予想に反して増益になるとの見通しを発表したゼネラル・モーターズ(GM)が7 %余り上昇しました。投資判断や目標株価の引き上げ相次いだネットフリックス(NFLX)も4%近く上げています。一方で投資判断や目標株価の引き下げを受けてスターバックス(SBUX)や外食のヤム・ブランズ(YUM)が軟調でした。原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)も軟調でした。昨日の米国市場では決算で1株利益が市場予想を上回ったシティグループ(C)が4%を超える上昇となりました。シティグループの決算を好感した買いが他の大手金融にも波及しJPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)も1%高となっています。さらにカナダのスポーツ衣料大手のルルレモン・アスレティカ(LULU)も業績の見通しを引き上げたことで6%近く上げています。一方で投資判断や目標株価の引き下げを受けてハードディスク駆動装置のウエスタン・デジタル(WDC)が5%近く下げました。また、米連邦破産法の適用申請を提出する意向と発表した電力のPG&E(PCG)が急落し52%以上下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.04%低い2.70%となりました。昨日の長期金利は変わらずの2.70%となりました。ドル円は108円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)