【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 24100.51 ▼496.87 (12/14)
NASDAQ: 6910.67 ▼159.67 (12/14)
1.概況
先週末の米国市場は冴えない中国や欧州の経済指標を受けて世界経済の先行き不透明感が意識され大幅下落となりました。ダウ平均は189ドル安でスタートすると一日を通して大きく下げ幅を広げる展開となり引け間際に563ドル安まで下落しました。結局ダウ平均は496ドル安の24,100ドルで取引を終え3日ぶりに反落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も159ポイント安の6,910ポイントと続落となっています。
2.経済指標等
11月の米小売売上高は前月比0.2%増となり市場予想と一致しました。10月の米企業在庫も前月比0.6%増となり市場予想と一致しています。また、11月の米鉱工業生産は109.4と前月から上昇し市場予想も上回りました。一方で設備稼働率は78.5%と前月から上昇したものの市場予想を下回りました。12月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値も53.9となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもヘルスケアが3%を超える下落となったほか、情報技術とエネルギーも2%以上下げました。また、一般消費財・サービスと生活必需品も2%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はキャタピラー(CAT)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)を除く28銘柄が下げました。そのなかでもジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が10%安と急落し、1銘柄でダウ平均を90ドル余り押し下げています。約30年にわたりベビーパウダーに微量のアスベストが混入していたことを当局などに報告していなかったと報じられたことで売りがかさみました。また、投資判断の引き下げを受けてウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が4%を超える下落となったほか、シスコシステムズ(CSCO)とアップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)も3%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、2019年の1株利益の見通しを引き下げたことでソフトウエア大手のアドビ・システムズ(ADBE)が7%を上回る下落となりました。コストコ・ホールセール(COST)も決算を受けて目標株価の引き下げが相次いだことで8%以上下げています。一方で四半期配当金の引き上げを受けてAT&T(T)が1%高と堅調でした。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.02%低い2.89%となりました。ドル円は113円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて大幅安となった先週末の流れを引き継いで軟調なスタートが予想されます。先週末に440円以上下げた後だけに日経平均が下げ渋るかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)