【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25017.44 ▼395.78 (11/19)
NASDAQ: 7028.48 ▼219.40 (11/19)
1.概況
米国市場はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で米国と中国が通商政策をめぐり対立し首脳宣言が採択できなかったことで米中貿易摩擦への懸念が改めて高まったことや、アップル(AAPL)を初めとしたハイテク株に売りが出たことなどで大幅下落となりました。ダウ平均は20ドル安でスタートすると大きく下げ幅を広げる展開となり午後に一時510ドル安余りまで売られる場面もありました。取引終盤にやや持ち直したダウ平均ですが結局395ドル安の25,017ドルで取引を終え3日ぶりの反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も219ポイント安の7,028ポイントと続落となり3%安の大幅下落となっています。
2.経済指標等
11月の全米住宅建設業協会(NAHB)の住宅市場指数は60となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、情報技術が4%近く下落したほか、一般消費財・サービスと通信サービスも2%以上下げています。一方で公益事業と不動産が上げています。
4.個別銘柄動向
米中貿易摩擦への懸念が改めて高まったことでボーイング(BA)やキャタピラー(CAT)が売られました。ボーイングが4%を超える下落となりダウ平均を1銘柄で100ドル余り押し下げたうえ、キャタピラーも3%余り下げています。また、新型iPhoneの3モデル全ての発注を減らしたと報じられことでアップルも4%近く下げたほか、反トラスト法違反行為を示す大量の証拠が見つかったと中国当局が主張しているとの報道を受けて半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)も6%を上回る下落となりました。さらに失望決算を受けて先週末に急落した画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)は売りが止まらず昨日も12%近く下げています。ハイテク株に売りが広がるなかアマゾン・ドット・コム(AMZN)やフェイスブック(FB)も5%以上下げています。一方でダウ平均構成銘柄では、ファイザー(PFE)とトラベラーズ(TRV)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が1%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの3.06%となりました。ドル円は112円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の21,500円近辺で底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)