【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 24688.31  ▼296.24 (10/26)
NASDAQ: 7167.21  ▼151.12 (10/26)

1.概況

先週末の米国市場はアマゾン・ドット・コム(AMZN)やグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)の決算への失望からハイテク株中心に売りが出て大幅反落となりました。ダウ平均は214ドル安と大きく下落してスタートするとまもなくして539ドル安まで下落しました。その後ダウ平均は一旦昼過ぎに70ドル安程度まで持ち直す場面もありましたが、取引終盤に再び下げ幅を広げると結局296ドル安の24,688ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も151ポイント安の7,167ポイントとなり2%余りの下げとなっています。

2.経済指標等

7-9月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比3.5%増となり市場予想を上回りました。一方で10月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は98.6と速報値から0.4ポイント下方修正され市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げ、一般消費財・サービスが3%を超える下落となったほか、不動産と通信サービスも2%以上下げました。また、情報技術も2%近く下落しています。

4.個別銘柄動向

海外事業の伸び悩みで売上高が市場予想に届かなかったうえ、売上高の見通しも市場予想を下回ったアマゾン・ドット・コムが8%近く下げたほか、同じく売上高が市場予想を下回ったアルファベットも2%近く下げています。また、ハードディスクドライブメーカーのウエスタンデジタル(WDC)も売上高が市場予想に届かなかったことで急落し18%以上下げています。一方で決算が市場予想を上回る増収増益だったインテル(INTC)が3%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。オンライン旅行代理店のエクスペディア(EXPE)も1株利益が市場予想を上回った決算を受けて目標株価の引き上げが相次いだことで2%を上回る上昇となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い3.07%となりました。ドル円は111円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の日本市場はアマゾンやアルファベットの決算への失望による米国市場の下げを警戒して下落となりました。したがって先週末の米国市場の下げは織り込み済みで新たな売り材料にならないとみられるため、本日の日本市場はやや買い優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか買い材料に乏しいこともあって日経平均が一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)