PORTFOLIO OVERVIEW( 20 Feb 2018)

米国株が暴落した雇用統計の後の週、FX-1ポートフォリオのリターンは15bpsのプラスだったが、株式市場が力強い戻りを見せた先週も引き続き26bpsのプラスのリターンをあげた。株式市場で起きた伝播は、為替市場に波及していない。為替市場では依然として経済成長見通しが差別化要因としては働いている。相対的な経済成長、金利、バリュエーションなどのファンダメンタルズの観点から国際間での資本移動を阻害するほどリスク選好度は悪化していない。

FX-1のポジションに大きな変更はなく、小幅にドルをネット・ショートしており、ロング通貨・ショート通貨も先週と同じである。

個別通貨ではノルウェー・クローネに大きくシフトした。ポンドを大幅に減らし、円の一部のポジションも移した。ノルウェー・クローネはこれまでは小幅なロングだったが、ポジティブな成長要因から大幅なベットに変更した。

円がそれに続くロング通貨だが、最近のトップ・ロング通貨から少しポジションを落としたのは日銀の黒田総裁の続投が決まったことと、リフレ派と言われている人物が副総裁に任命される見通しとなったからだ。しかし、日銀の新体制はこれまでの体制と方向性において大きな違いはなく、現在の円の水準自体を変えるほどの緩和策を講じるとは思えない。

ショート側ではコモディティ通貨とスイス・フランのショートを維持しているが、NZドルの強さは謎だ。雇用統計前夜からドルに対して3番目に強いパフォーマンスとなっている。NZの成長ファクターは弱く、通貨は割高で、スコア的には「売り」以外のなにものでもないのだが...。NZに関して言えばインフレはポジティブだ。市場は、NZのインフレが、よりポジティなグローバルのインフレ基調の仲間入りを果たすと期待しているのかもしれない。

最期に、グローバル・リスク・インデックス(GRI)だが、まだ「オフ」のままで点灯には至っていない。市場リスク(ボラティリティ)は依然高いが、GRIの他のコンポーネントは低いままである。リスク・オフのポジションからは遠いままでいるのが正しい判断だと考える。

FX-1 STRATEGY Current Portfolio as of 20 Feb 2018

「+」の符号はその通貨のロング(買い持ち)を、「-」の符号はショート(売り持ち)を示す

現在のポートフォリオ
(Feb 20)
豪ドル
AUD
ユーロ
EUR
英ポンド
GBP
NZドル
NZD
カナダドル
CAD
スイスフラン
CH
日本円
JPY
ノルウェークローネ
NOK
スウェーデンクローナ
SEK
成長要因 -5.3 +19.7 -12.7 -9.6 -13.0 +8.6 +12.7 +9.3 -9.0
キャリー 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
バリュエーション -8.2 -2.6 +14.5 -10.7 -6.2 -18.6 +6.2 +18.6 +14.5
グローバル・リスク 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ポジション調整 +3.4 -4.3 -0.4 +5.1 +4.8 +2.4 -4.9 -7.3 -1.5
最終ウェイト -10.1 +12.7 +1.3 -15.1 -14.4 -7.6 +14.1 +20.6 +4.0

ネットUSD(米ドル)ウエイト:-5.5

前回のポートフォリオ
(Feb 12)
豪ドル
AUD
ユーロ
EUR
英ポンド
GBP
NZドル
NZD
カナダドル
CAD
スイスフラン
CH
日本円
JPY
ノルウェークローネ
NOK
スウェーデンクローナ
SEK
成長要因 -5.7 +19.0 +4.1 -12.5 -13.5 +9.0 +14.6 +10.8 -10.8
キャリー 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
バリュエーション -8.2 -2.6 +8.8 -10.7 -6.3 -19.0 +10.6 +19.0 +14.8
グローバル・リスク 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ポジション調整 +3.8 -4.5 -3.5 +6.3 +5.4 +2.7 -6.9 -21.1 -1.1
最終ウェイト -10.2 +11.9 +9.3 -16.9 -14.4 -7.3 +18.3 +8.7 +2.9

ネットUSD(米ドル)ウエイト:-2.4

ヘルプ

表の見方について広木が動画(約12分)で解説しています。

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DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルの説明