週末に、京都東寺の立体曼荼羅を、生まれて初めて見ました。仏教や仏像について、ちょっとだけかじった知識をもって語るのは甚だおこがましいのですが、それでも敢えてちょっとだけ。
仏像は全21尊(21体)。3ブロックとその両端から成っていて、真ん中のブロックは如来像が5体。大日如来を中心に4つの如来像が周りを取り囲む感じ。因みに仏様は全員が南面している。向かって右、如来像から見ると左側(東側)に、如来像ブロックと同じようなフォーメーションで菩薩像が5体。如来像から見て右側(西側)に、やはり同じようなフォーメーションで不動明王を中心に明王像が5体。そして両端に、天部が3体ずつ。
悟りを開いた如来と、そこに至る前の菩薩、そして如来の化身である明王。そしてインドの神様がもととなっている天部。全21体のうち如来像ブロック以外の16体が国宝で、如来像5体も重文。全体が空海(弘法大師)によるプロデュースであり、国宝16体のうち15体が、平安初期、承和6年(西暦839年)の開眼時からのオリジナルであるという、驚きの存在・空間です。
ひとつひとつの仏像の完成度と美しさが全て圧巻で、特に帝釈天の顔と服装は、現代でも十二分に通じるハンサムとお洒落で、ビックリします。そして何よりも、天才空海による極めて明瞭で分かりやすいプレゼンテーションには、完全に圧倒されました。夜眠る時にも興奮は冷めず、中々寝付けないほどでした。
しかし強く思うのは、無知であることを恐れずに申すと、良いデザインと分かりやすいプレゼンテーションは、どのような分野でも、どのような時代にも、とってもとっても重要だということです。伝わらなければ意味がない。分かりやすくなければ、多くの人を動かすことは出来ない。今までもそう思って来ましたが、その思いを更に強くしたのでした。